K.I 様
合格時20代後半
特許事務所勤務
2回
基礎・短答・論文パック、論文添削ゼミ
ありがとうございます。私は大学院に進学しませんでした。そのため論文試験は必須科目だけでなく、選択科目も受験する必要があったんです。
それで「短答が終わってから両方勉強するのは絶対に無理だ」と思っていたこともあり、一年目は短答試験と論文試験の選択科目の合格までを目標としました。論文の必須科目のことは一切考えずに一年目を突破し、二年目に必須科目も通って、晴れて弁理士資格を取得した形です。
まず受験一年目(2019年)で短答式試験に受かった時は、目標にしていたことですからもちろん嬉しかったです。ただそこがゴールではないので、嬉しさが半分、「ここからが本番だな」と身が引き締まる気持ちが半分という形でした。
そして二年目の最終合格(2020年)の時はですが・・・正直言って試験中の記憶が半分ないんですね。集中していたのか、緊張していたのか。後で自己採点してみるとボーダーラインでした。実際に結果が返ってきたら本当にギリギリでの合格だったので、まず感じたのは「とてもラッキーだったな」という気持ちでした。
論文の方ですが、特許が123点、商標が57点で、ここはそこまで危なくなかったんですが、意匠が50点しか取れてなくてですね・・・足切りされてもおかしくないラインに足を踏み入れてました。
元々メーカーの方で工程管理のような仕事をしていたんです。物の仕組みを知るのが好きな方だったので、ラインの流れに関しても「効率を上げるためにどうしたらいいのか」といったことを考えるのは結構性に合っていました。そんな中で「色々な業界で幅広く技術を見てみたいな」という気持ちが生まれたのがきっかけかもしれません。
学科によって学ぶ内容は全然違うんです。僕が通っていたところでは、船のエンジンや内燃機関等について、また流体力学や船が動く仕組みに関して学ぶことができました。幅広く色々な知識の美味しいところ取りができる学部だったと思います。
はい。ただ若い頃の父がかなり苦労をしている姿を幼いながら見てきたのもあって「弁理士ってすっごく難しい仕事なんだろうな」というのは感じていました。それで「自分には縁がないだろうな」とあまり深く聞くこともなく大人になったんです。それが、社会人になって改めて父から弁理士について聞く機会に恵まれて、ようやく興味を持ち始めたっていう形ですね。
3年メーカーに勤めたことで、「いったん立ち止まって自分のいる場所を考えてみようかな」という心の余裕が生まれたのかもしれません。
まず最初に父に相談しました。「自分にどれくらいの覚悟があって挑戦しようとしているのか」というところ、そして会社を辞めようと思っていることも含めて話しました。
予備校に通い始めた頃はまだ前の会社の方に勤めていました。自分の中で弁理士試験を受ける心がまだ完全には固まっていなくて、「とりあえず勉強を始めてみて、できそうなら進んでみようかな」くらいの軽い気持ちだったんです。
でもやはり勉強を続けているうちに「これはちょっと片手間ではできない」と気づいて。そこで会社を離れ、特許事務所の方に勤めながら本格的に勉強をしようと決心しました。
事前知識を事務所で得るということは全くなかったです。父も弁理士資格を保持していますが、詳しく聞くことはありませんでしたし、初学者同然でした。
ただ、僕の勤務する特許事務所では資格取得に際して時間的な融通を利かせてくれる部分もあって、他の方と比べると勉強時間を確保できた方じゃないかなと。合格できたのは環境も大きかったと思っています。
平均して1日4〜5時間ほど勉強していたので、総勉強時間は4,000時間弱くらいになります。
平日は夕方17時くらいまで仕事をして、帰宅してから勉強をしていました。例えば論文式試験の対策の時は、構成をとったり自分で考えて書いたりというアウトプットタイプの勉強を先にやってしまって、その後に知識を入れるインプットタイプの勉強を持ってくるようにしてました。遅い時間になってくると頭が働かなくなってくるので、「書きたい」という気持ちでも書けないことがあるんですね。そうやって勉強がはかどるように、ある程度コントロールできたかなとは思います。
休日は9時とか10時とか、朝は結構遅めに起きて勉強してました。睡眠時間は削らないように、そしてコンスタントに同じ時間に勉強できるよう心がけていました。
平日はその日ごとに変わってくるんですが、最低でも2時間は確保して、可能なら3〜4時間やるようにしていました。土日は予定がなければ、ほとんど勉強してました。ただ大体月に1回くらいは「息抜きの時間」を作って、そういう日は本当に勉強せずに過ごしました。
一番してたのは、食べて寝る。あとは特別なところだと散財って言うんでしょうか・・・。ネットショッピングでお金をたくさん使うことがストレスの発散につながりました。不必要な出費はかさみましたが、外を出歩かなくて済む気分転換でしたね。
勉強開始1年目(2018年)は、6月から年内まで基礎講座と自分で青本を読んだりすることでほとんどの時間は使ってしまった感じですね。基礎講座は3回くらい通しで見たと思います。
それから年明けの1月になってから、短答式試験について集中的に勉強を始めました。短答講座の視聴と並行して過去問を本当にひたすら解いていました。
最初のうちはパソコンでしっかり画面を出して、菊池先生の顔を拝見しレジュメを見ながら受けました。しっかり理解することを意識して。2回目以降は倍速機能を使い、2倍速、3倍速みたいな形にして時間をかけずにおさらいをしました。
菊池先生の2倍速、3倍速の話し方に慣れてしまっているので、すごい早口でしゃべる人っていうイメージなんですけど、実際に等倍で見るとゆったりしゃべられる方でびっくりします(笑)。逆に倍速で再生しても物凄く聞きやすい声だなっていう風に思っていました。
青本講座は林先生だったんですが、「大事なところから順番に勉強していくべき」というところを最初に教えてくださったので、かなり助かりました。青本講座も基礎講座と同じくらい何度も見ましたね。
青本は通しで読んだことは多分一度もなくて、特に短答対策時は辞書的な使い方をしていたと思います。ただ、論文式試験の場合は青本を抜粋して自分の言葉でアレンジして書く必要があります。そこで自分が書きやすい形にアレンジした文章をWordファイルに保存して暗記するようにしてました。
過去問に出てきた問題の箇所を条文で確認して、そこにラインマーカーを引き、過去問に何回出てきたかをチェックしながらやってましたね。
そして短答の過去問とチェックした条文を見て、「どういうところが出やすいのか」「どういうところはあまり出ないのか」という点に留意しながら集中的に条文を読む箇所を決め、繰り返し読むようにしていました。
かなり解きました。資格スクエアさんの講座でもらえるものが全てだったんですが、10回はやったと思います。もうちょっと解いたかもしれないですね。出題傾向をつかみながら、「これは確実に解ける」と思った問題はどんどん「見なくていいリスト」に放り込んでいって、自信がないものだけを何回も繰り返していくような感じです。
短答式試験の合格が出てから、市販の教科書を使い独学で勉強しました。選択科目は材料力学を選んだのですが、一応大学時代に学んだ範囲の出題ではあったので、昔のノートとかを引っ張り出したりもしましたね。
過去問を10年分くらい見て出てくる範囲を確認して、1〜2ヶ月くらい集中的に対策しました。
そうですね。次の年に備えて。論文の学習は、資格スクエアさんの添削講座を受講してたんですが、ここが一番成長を実感できるタイミングでした。
実は一番最初に添削ゼミを受講した時に、特許の問題を2時間で解くのですが、2時間かけて一文字も書けませんでした。その時に一回「白紙で提出するべきなのかな」と思いましたが、「せっかくの添削の機会に自分の文章を見てもらえないのはすごくもったいないな」と考え直したんです。そこで滅茶苦茶カンニングをしまして。自分の手持ちの資料とかを全部網羅して、8時間くらいかけて何とか一回形にしたんです。
知識的なところは後から勉強すれば補充できるので、とりあえず書いたものを林先生に添削してもらう機会を大事にしました。添削で自分の文章のどういうところを評価してもらえているのかを知り、それを繰り返ししているうちに・・・そうですね、「自信がついた」と思えたのは試験ギリギリでした。
元々予定されていた試験日の時点では、自分が思い描くところまで辿り着けてなかったんです。だから結構ラッキーで、延期したことで助かったなと。実際に合格点ギリギリだったので「例年通りだったら受かってなかったんじゃないかな」って思えるくらいです。
皆条件は同じだと思うんですけど、自分は勉強期間をあまり長期間確保できていなかった方なので、プラスに働いてくれたんじゃないかと思います。
一番良かったと思うのは、短答式試験の勉強の段階から条文をちゃんと読む習慣をつけていたことです。これは菊池先生が口を酸っぱくして言っていることなんですが。早いうちから本腰を入れて取り組んだことが後々活きてきたと思っています。
出題傾向をチェックして繰り返し条文を読む等、強弱をつけて学習しましたが、通し読みも何回もしましたね。最初は何が大切で何が大切でないのか全然分からず抵抗感が強いのですが、そうやって目的がはっきりしてくると比較的読みやすいなと感じます。
論文式試験の時には、最終的に趣旨や判例を何も見ずに書く必要があります。そこで自分で考えた「暗記するための文章」のプリセットをWordファイルで作っていたんですね。ここで凝り性を発揮してしまって、何回も書き換えたりとか、目的別に編集し直したりとか、ファイルを分けたりとか、滅茶苦茶よくやってたんで・・・そこまで必要ではなかったなぁと(笑)。
「何から手をつければいいか」に関しては、林先生が「こういうところから勉強すべきだよ」という方針を示してくれました。それで「どう進めていけば試験までに知識を蓄えられるか」を把握でき、「合格までにどれくらいのことをすればいいのか」という目安をざっくり知ることができました。だからスケジュール面で、そこまで困ることはありませんでしたね。
特にはありません。あまり色々なものに手を出すと選択肢が増え過ぎて「何をすべきか」と迷ってしまいそうだと思ったんです。そこで「明らかな問題が起こらない限りは最初の方針でやってみよう」と決めて、できるだけ必要以上の情報を入れないようにしました。
学習に関しては、小目標を作って終わりまでやってみる。もし問題が起こったらその時点で一回考え直す、という考えで進めていました。
口述の対策のためには行きましたが、短答と論文に関して、他校の模試は一切受けなかったです。資格スクエアさんから直前期に送られてきた自己採点の模試がありましたが、これを自宅で時間を計って受けるというのはきっちりやりました。
一年とか二年とか、そのくらいの単位で勉強を続けなければいけない試験なので、凄くやる気がある日もあれば、疲れ切って何もできない日もあります。それで、もし勉強が間に合わず一日のスケジュールを絶対守ろうとしたら、睡眠を削るしかないんですよね。でもそうしたら結局次の日のコンディションが悪くなって、どんどん良くない方向に行っちゃうなと・・・。
だから「一日ごとの失敗はもう仕方がない」と割り切って、「一ヶ月かそれくらいのスパンで目標達成できればいい」「期間ごとにリカバリーできれば多少の計画のズレは仕方ない」ということで、必要以上に考え過ぎないようにしてました。
弁理士試験は本質的には何回でも受けることができる試験ですよね。ただ、今年の受験よりも来年の受験の方が絶対に自分のモチベーションが低いって思っていたんです。年を重ねるごとにどんどんやる気が下降していくのは自分には止められないなと。
だから最初に受験を決めた時に「二年で合格する」っていう目標を立てました。余裕があるうちに合格に向けた計画をしっかり立て、同じペースを保って勉強し続けたことが、一番良かったんだと思ってます。
色々な予備校さんが公開している無料講義がありますよね。最初にこれを、LECさん、TACさんといった大手さんから順番に見ていって比較しました。その中でやはり「菊池先生の講義が一番分かりやすいな」「自分に合ってるな」と感じて、ほとんど迷いなく決めました。特に初学者で「今から何やればいいか分からない」みたいな人におすすめだと思います。
菊池先生は、最初に「牛通行止め」の話から講義をスタートされるんです。たとえ話なんですが。法律って勉強しようと思っても最初はすごく取っ付きにくくて・・・そんな中で菊池先生は「どうしてそういう風に規定されているのか」という理由や背景を逐一紐づけながら説明をしてくださるんです。単純な暗記じゃなくて「なるほど、そういう風になってるんだ」と納得でき、「面白いな」と一番最初に感じたのが菊池先生の講義だったんですね。
法律は思っていた程堅苦しくなくて、人の心や考えが入り込んでできている。そういうところを気づかせてくれる講義だなって思います。
小規模の事務所でもいいので「一人ひとりのお客様としっかり話し合って進めていけるような仕事をしていきたいな」という希望があります。
大企業のお客様の場合、比較的知財関係に慣れていると思いますが、中小企業さんですとか、知財に関する知識が何もない方にも丁寧にご説明し、弁理士としての知識を大きく活かしていきたいと考えています。
弁理士試験の受験者は大学生や大学を卒業したばかりの人よりも、少し上の30代くらいが多いんです。でも、歳を重ねるほど仕事や家庭が忙しくなって、自分のために使える時間が少なくなると思うんです。そう考えるとやはり挑戦するなら早いに越したことはないですね。
そして一番大切なことは「最初に決めた目標を簡単に下げないこと」だと思います。目標さえ決まっていれば「自分がこれから何をすればいいか」に関しては、予備校を活用することで絶対分かってきます。だから、前だけを見つめて頑張っていけば合格への道は開けますよ。