S.T 様
合格時30代前半
特許事務所勤務
4回(記念受験、受講前の受験を含む)
論文対策パック、論文添削ゼミ
実務上でも目標にしていたので、単純に凄くうれしかったですし、安心しました。
私の元々のバックグラウンドは理系で、卒業後も一旦はメーカーに就職しました。その後、転職して公務員として働くうちに法律にも興味が湧いたのですが、理系の仕事にも後ろ髪を引かれる思いがあり、法律と理系の知識を両方活かせる点で弁理士に魅力を感じました。
それで特許事務所に入ることを目的として勉強を始めたのですが、実は転職活動がうまく進みまして・・・。弁理士試験の合格に先んじて特許事務所に就職できた次第です。
勉強を開始したのは2018年で、事務所に入る1年ほど前です。だから合格まで4年くらいかかっています。最初の2018年はほぼ記念受験だったのですが、それも含めると4回受験していることになりますね。
事務所に入った2019年に短答式試験に受かり、論文式試験に落ちました。次の年(2020年)は短答が免除で、論文式試験だけ受けたのですが、ここでまた論文に落ちまして。その次の年(2021年)に最終合格したという形ですね。
総時間ということですか?始めの頃はカウントしていたのですが、途中でやめてしまったので(笑)。うーん・・・2,000時間くらいですかね。
公務員試験の時は1〜2ヶ月。危険物取扱者を取った時が3ヶ月程度です。それ以外だと・・・大学受験くらいでしょうか。
参考書を買って独学で勉強しました。
特許法の構成等も全然知らなかったので、入門書のようなものをまず買って。それから主に短答の過去問を解いていました。
過去問で出てきた条文を読んで・・・それがどういう条文なのかが分からないので、青本を自分で読んで「こういう意味の条文なんだ」と理解する、という繰り返しです。
丸覚えが苦手な質なので、そういった形で少しでも体系的に学習しようと努めていました。ただ結局はかなり知識に偏りができてしまったというか、本当に短答に受かるためだけの勉強になっていたと感じます。
それまで短答の勉強しかしていなくて、短答式試験に受かってから論文の勉強をスタートしたんです。「論文の答案を一文も書いたことがない」「本当に何をしたらいいのか分からない」という状態で始めて、最初の論文式試験はそのまま落ちました。インターネットで見た書き方のノウハウを参考にして勉強もしましたが、やはり全くうまくいかなくて・・・。
それで2019年、初めての論文式試験に落ちた後、独学に限界を感じて資格スクエアを受講することに決めました。正直、最初の年はあまり計画的に進められませんでした。「論文対策パック」の4つの講座のうち、最初に青本講座をやり始めて、時間を見つけて添削を受けられる講座をちょっとずつやっていった感じですね。
ただ本当に全然計画的にやっていなかったので、ちょうど全部の講座を一周くらいしたタイミングで次の試験(2020年)を受けて落ちました。
そこで「これからどうしようかな」と迷いまして。同じ講座を取ってもう一度同じ内容を勉強し直すというより、どちらかというと「添削を受けたい」「別の問題を解きたい」という思いがあったので「論文ゼミ」を受講しました。
まず短答の学習時は条文理解のために青本を使いました。そして、論文の勉強の際は資格スクエアのテキストを使う時に「この内容は元々の記載だとどうなっているのかな」と青本で確認していました。キーワードの近辺を見て、自分の中で内容を整理してレジュメにまとめるためですね。短答・論文ともに青本はよく使っていました。
短答の過去問は年で分けられているものではなくて、ジャンルごとに何年か分が載っているものを使っていました。「補正」の項目だったら「補正」だけの問題が載っているような。これを複数周回しました。完全にできた問題に〇をつけて、ちょっとでも分からなかったら△をつける。そして最終的には全部〇にしていくという進め方です。苦手な問題は4〜5周していると思います。
論文の過去問の方は落ちた年は各年を1周くらい。受かった年は2周していたと思います。それから受かった年は不得手な商標の過去問、資格スクエアの問題を何回も解くようにしていました。
手応えというと・・・添削を受けるうちに点数が上がってきている感じが分かりましたね。それで途中から特許と意匠については「何となくできるかもしれないな」という意識はあったでしょうか。商標については苦手だったので最後まで不安でした。
自分で作ったレジュメを何回も見るようにしていましたが、これは有効でした。レジュメは、1つのページの左半分に問いが書かれていて、右半分にその解答が書かれている、というような作りです。最後の1年は勉強時間の捻出に苦労したので、電車での移動中や仕事の昼休み中にこのレジュメをひたすら解いていました。それがなかったら多分受かってないと思います。レジュメ作りには時間がかかりましたが、効果がありました。
短答式試験に合格する前から、論文式試験を見据えた勉強を少しずつでもしておくべきだったと思います。
先程も少しお話したとおり、私は短答式試験に合格するまで論文式試験に向けた勉強を全くしていなかったので、短答では問われないような論点は把握していませんでした。また、青本に関しては、条文理解のために読んではいましたが、論文の答案としてアウトプットできる情報になっていませんでした。そのため、最初の論文試験には全然太刀打ちできなかったです。
また、論文式試験で問われる論点の全体像をつかんでいなかったので、その後も大きく回り道をしたと思います。結果的には、資格スクエアの論文講座を取り始めてから、「こういう判例があるんだ」「青本がこういう形で聞かれるんだ」ということを、問題を一つひとつ解きながら手探りで学んでいくことになりました。例えば、問題で「均等論」が出てきて初めて均等論を知った、とか・・・。そのため、結局、短答のときとは違う目線で、インプットを一からやり直さないといけないような状況に陥ってしまいました。
そう思うと、短答の勉強時から論文を見据えておけば、もっと楽に論文の勉強を進められた気がします。また、短答対策に入る前に、短答にも論文にもつながるような基礎的な勉強をしておくべきだったかもしれません。こういった勉強を独学で効率よくやるのは困難だと思うので、そもそも短答の勉強スタート時から通信で学んでいれば良かったと思っています。
短答・論文とも受けませんでした。外部の緊張する場で模試を・・・というのは一度もないです。
ただ「問題ばかり解く日」を自分で作ったりはしましたね。「本番同様に時間を計って模試的な環境で解く」というのを、直前期にやりました。特許法・実用新案法、意匠法、商標法の順番で実際の試験の時間通りに解くというのを2回ほど。
あまり明確に「いけるぞ」というのはなかったです。
強いて言えばゼミの途中。添削でちょっとずつ合格点(54点)のラインを取れる回数が増えてきた時に感じたかもしれないですね。
まず通学型にはしたくなかったんです。オンライン受講ができる方が柔軟に対応できそうですし。私はあまり塾にも通った経験がなくて、大勢で講義を受けることにちょっと抵抗がありました。
オンライン予備校は色々ありますが、講義のサンプルの視聴をした中で一番信頼できそうだなと思ったのが資格スクエアでした。他の会社の場合、テキストをただ読み上げているように感じるようなものもあったりして・・・。資格スクエアはそんな感じは受けなかったので、安心感を覚えました。つまり「質が高そうだな」と感じました。
他の理由として、値段が元々ちょっと安めだった上にキャンペーンで更に安くなっていたこともありますが、質の面で自分の満足のいくものを選んだ結果ですね。
林先生の「100の質問」です。付録だったと思いますが、問だけが書いてあるものですね。それに答える形で知識を肉付けしていったので、役に立ったなと実感しています。同じような意味で、論文のゼミの最初にもらった菊池先生の「問題リスト」みたいなものですね。かなり内容が細かくて、「そんな論点出るんだ」みたいな(笑)。林先生の「100の質問」と同様にこちらも活用して、それらの問に答えられるように自分でレジュメを作っていきました。あと青本のテキスト等ももちろん役に立ちましたし・・・。役に立たなかった講座は特にないですね。
結婚していますので、妻には相談しました。最初に弁理士を目指すと決めた時も、妻は「やりたいことがあるなら早めの方がいいんじゃないか」というニュアンスのことを言ってくれました。資格スクエアに決めた時も、もうほぼ決めている状態で事後報告しました。それからも常に応援してくれているスタンスです。
やはり苦労しました。仕事が忙しかったり、プライベートでは子どもが生まれたりといった理由で、まとまった勉強時間が取れなかったので。
仕事をしながら4年ほど勉強しましたが、最後の1年は本当に忙しく時間の捻出に苦労しました。勉強時間がとれない日だと、通勤時間と昼休みを含めて1日1時間程度勉強するという感じです。ただ特許事務所に勤務していたので、資格取得のための休みを取れたのは助かりましたね。おかげで本当の直前期は1日10時間ほど勉強できました。
そうですね。仕事では主に特許を担当しているので、重なる部分はありました。そんな訳で全く知らない分野ではなかったですが、法律の勉強としては初学者だったと思います。
出勤前に朝勉強していた時期もあったのですが、途中から起きられなくなってしまったこともあって・・・(笑)。学習時間はスキマ時間がメインでした。
一番できている頃は平日に3〜4時間勉強していました。で、土日に5〜6時間とかですかね。仕事・プライベートともに多忙だった最後の1年だと、平日は多くて2時間。土日に何とか3〜4時間とか、そういう感じでした。
論文式試験に落ちた直後はあまり勉強できませんでした。ショックを受けていたので・・・(笑)。
朝に勉強ができた時の話ですが・・・6時半に起きて7時まで勉強して、諸々やってから8時くらいに家を出ていました。そして、電車通勤の時間が20分くらいあるのでそこで勉強して、昼休みの15〜20分で勉強して、帰りの電車でも20分程度勉強。帰宅後も家事・育児などをやって、体力がある日だったら日付が変わる前に30分〜1時間ほど勉強しました。
あとはまとまった時間がなかなか取れないので、妻に協力してもらって答練をする時に1〜2時間だけ時間を確保させてもらうとか。
家族が受験に協力的だったので、その応援の気持ちを感じて「裏切る訳にはいかないな」とは思いました。 それから弁理士の資格がなくても特許事務所に入ることはできますが、資格の有無で業務の幅が変わってきます。それで「実務上取得したいな」という気持ちが強くなり、勉強継続のモチベーションにつながりましたね。
あまりしていませんでしたが、強いて言うなら旅行です。最初の1〜2年間は旅行に行かないようにしていたのですが、家族に我慢させて申し訳ないと思ったこともあり、その後はちょっと行くようにしていました。それが息抜きにはなっていたと思います。
私が勤める事務所では弁理士資格があると外国案件にも携われるので、そちらに力を注いでいきたい気持ちがありますね。他にも、資格を得たことでフィールドが広がるので、様々な業務に対応していきたいです。
あとは各会派や委員会での活動にも参加できるようになるので、せっかく資格を取った訳ですし、そういう活動にも取り組んでいけたらと。
そうですね。私が勤める事務所の場合、継続して外国案件をやっていくためには、英語に関する一定の資格を持っている必要があるので、またちょっと落ち着いた頃に英語の勉強はすると思います。
継続して勉強することが大事です。そして人に頼れるところは頼って・・・個人的には、最初の方から講座は取った方がいいと思いますね。
勉強をしていると自分が着実に進んでいるのか、そうでないのか、よく分からない時期がきます。でも、ちょっとずつ続けていれば絶対無駄にはならないと思うので、諦めずに頑張ってほしいです。本気で目指しているなら、すぐにスタートを切ることをおすすめします。