山中 遥加 様
28歳
大学技術員
1回
論文対策パック、論文添削ゼミ
絶対に一年で合格したいと思っていました。なので嬉しいのと同時に、ホッとした気持ちですね。
勉強を開始した時点では輸入商社に勤めていましたが、2021年の11月から大学技術員として時短勤務をしています。大学院時代に在籍していた研究室に戻った形です。仕事と勉強の両立を考えての転職でしたが、おかげで勉強時間の確保ができたと思っています。
はい。理系で修士まで行きましたので、選択論文は免除になりました。
いいえ、全くありませんでした。大学院時代にも、研究室で出願する機会さえなかったですから。そもそも弁理士という仕事自体を知らなかったくらいです。「特許という言葉は何だか聞いたことがあるかなぁ」程度でした。
前職の頃「何か手に職をつけたい」「専門職に就きたい」という気持ちがありました。そこで、どういった資格があるのかを調べ始めて「弁理士」に行きついたんです。
「これなら理系の知識を活かせる」と思い、また「知的財産の権利を作っていくというところも面白いな」と興味を持って、弁理士を目指し始めました。
大学院時代の経験から、今後のキャリアを考えた時に研究という道もありました。ただ研究職というのは、比較的「狭い分野のことをつきつめる」というイメージがあったんです。私は飽き症な部分があるものですから、「あまり向かないかもしれない」と思いました。
一方で、もし弁理士という仕事に就けたら「色々なクライアントさんを担当しながら、常に広い分野の勉強をしていける」というイメージが湧いたんです。それなら飽きることなく楽しみつつ、やりがいのある仕事でキャリアを積んでいけると考えました。
最初に弁理士について調べた時、「合格率が10%以下で、一発で合格する人はその中の一握り」というような記事をたくさん読んで、かなり打ち砕かれましたね。でも「とにかく勉強を始めてみよう!」と心に決めて実行しました。周りに弁理士を目指している人もいなかったこともあり、学習中は常に不安との戦いでした。
はい。2021年の6月から12月までは自力で基礎固めをし、2022年の1月からは友人から譲り受けた他校の教材を使って勉強を進めました。
ただ「短答は何とかなっても、論文は独学がちょっと難しいかな」という印象があったんです。そこで論文については、資格スクエアの「論文対策パック」と「論文対策ゼミ」を受講することに決めました。
まず論文対策のために、各予備校を比較しました。そんな中で、受講料がちょうど良かったのが資格スクエアでした。また講義を観比べたところ、他の予備校の講義の場合、「ちょっと聴きにくいかな」と思う部分もありました。資格スクエアのYouTubeを観た時は、「林先生の授業はスッと頭に入ってくる」と感じたんです。
まず添削ですが、気軽にメールで出せるところが良かったです。何回も出せるのも助かりました。
それから実践講座や解き方講座で、判例などがテキストにしっかりとまとまっていたのがありがたかったですね。「見直しやすかったな」と思います。論文試験の当日もテキストを鞄に入れていったくらいです。
機能については「ワンクリック質問機能」を使って、質問をすることもありました。それからオンライン講義については、基本的に倍速で1.5~1.7くらいに設定して観ていました。自分にとってベストなスピードで聴けるのが良かったです。
過去問をひたすら回していました。5~8回は解きました。あとは音読をすることで条文の内容や対応関係を頭に入れていきました。
2022年の2月から3月始めくらいまでは、かなり短答に集中していました。3月に少し余裕が出てきたのでいったん論文に立ち返りましたが、4月からは基本的に短答の勉強一本に絞りました。
試験が終わった瞬間は、もうどの問題も合っている気がしませんでした。「落ちたな」と本気で思ったくらいです。受験後3時間ほどで予備校さんから解答が出ますが、それを確認して「良かった、合ってた!」とホッとした感じです。次の日からは論文に切り替えていけました。
解き方講座と実践講座を全部解き直しました。あとは趣旨と判例のインプットです。また、この時期に初めて過去問に取りかかりました。解いたのは過去5年分でしたが、その復習にも力を入れましたね。
過去問については、「論文対策パック」についている過去問講座を使いました。ただ時間がなかったので、答えを読んで「分かりにくい」と感じたところだけ講座を観ました。実際に答案を書くというより、基本的には構成だけを取る形です。本番対策として、時間を計り最後まで答案を書く練習も多少やりました。
実践講座などで学習するのとは毛色の違う問題があったと思います。それが難しいというか新鮮で、勉強になりました。
あとは直前に他校の論文模試も受けましたが、そこで結構辛口な点数を付けられて落ち込んでしまったんです・・・。一方で資格スクエアの点数の付け方はある意味でちょっと優しく、色々な角度からコメントをくれるということもあって、元気が出たし役立ちました。
論文式試験が終わった後は、短答の時とは逆に「できた」と思いました。特許だけは少し不安でしたが、「意匠と商標は結構できたかな」という感覚でした。ただ論文の合格発表までは三ヶ月くらいあるので、時間が経つにつれて「やはり駄目だったかもしれない」と思うようになってきたんです。例えば商標の解答の最後に「以上」と書くのを忘れたような気がするなど、どんどん不安になりました。
とても難航しました。「取り消し後の再出願」と答えさせたいのかなと思いきや、そういうわけではないと気づき、5分くらいフリーズしてしまいした。そこで考えを整理して「これは損害賠償だな」と頭に浮かんだ時に「いける!」と思いました。結構冷や汗をかきました。
7月8月は全く何もせず、丸々お休みしました。そして9月になってからゆっくりと過去問を始めました。一ヶ月で10年分ほどの過去問を1周した形です。10月に入ってから、過去問2周目に取りかかりました。また口述模試を受けましたが、その時にもらった想定問答集を解いていました。
初めての練習会だったのでとても緊張してしまったんです。村越先生(普段は質問対応等を担当)が商標の担当でしたが、全く答えられませんでした。その時、村越先生が精一杯助け舟を出してくれたんです。「こんなに助けてくれるものなのか」とびっくりした印象があります。
結果的には模試を受けることによって、緊張感だったり実際に自分でしゃべる経験だったり、分からない時に知識を捻り出すためのいい練習になったと思います。
「先生による」という感じです。私は特許の時に一瞬詰まってしまいましたが、その時の先生はあまり助けてくれませんでした。一方で商標は「ほとんど答えを言ってる!」と思うような助け舟を出してくれました。
平日は5時間、土日はそれぞれ6時間ずつくらいです。
スキマ時間を大切にしました。通勤で往復二時間ほど電車に乗っていたので、そこはしっかり勉強に当てました。
音声化したレジュメを徒歩の間に聞いたり、電車の中では手を動かしたりという形です。電車で暗記系をやると眠ってしまうので、短答・論文の過去問を解くか、問題の構成を取るか、どちらかをやっていました。いつも座れたので助かりました。一時間くらいだと、構成を取るにもちょうど良くて、いつもノートを開いてガリガリやってる変な人でした(笑)。
↑山中様のノートの一部。ページ下のフォトギャラリーでも紹介しています
動画は一度観ただけです。基本的にはいつもレジュメを使ってました。そこで「レジュメをもっと効率的に活用したいな」と考え、パソコンの読み上げソフトを使って音声データ化したんです。それを1.5倍速くらいにして、会社の行き帰りに歩きながら聴いていました。
問題を解く時はノートに書いていたので、論文の学習でずいぶんと使いました。短答学習時のものも入れると20冊くらいでしょうか。ノートが積み重なっていくと「これだけ勉強したぞ」という目安や自信になりました。
そこではあまりノートを使いませんでした。条文を音読するか、四法対照を読みながら線を引いたり書き込んだり、というやり方がメインです。ノートについて、あとは過去問を解きつつ短答で間違えたところは全部まとめて、それを見返すといった形でも使っていました。
それが意外と多くなくて・・・。知識修得に関しては、書くよりも「とにかく読む」「声に出す」が、自分の場合一番多かったように思います。
「一週間の中で半日だけは思い切って遊ぶ!」と決めていたんです。だから平日はしっかり目にやって、土日は比較的リラックスした状態で勉強していました。土日遊ぶために、平日は結構詰め込んで頑張ったという感じです。
9時から16時までの時短勤務で、仕事が終わったらすぐに大学内の図書館で学習する毎日です。また、昼休みも食事後の余った時間は図書館に直行したので、勉強時間はかなり作れました。
会社を辞めてまで「やる」と決めた挑戦ですから、「絶対に一年で受かる」「もう後がないぞ」というプレッシャーを常に自分にかけて勉強を続けました。
パソコンはいつも持っていき、講義を観ました。そして、観ながらいつも林先生の書く板書を丸々写していました。
講義を観終わった後に「一回自分でやってみよう」と思い、復習として解いていました。各講義視聴後にその都度例題を解くのではなく、まとめて講座を観てできるだけ例題を解くという進め方でした。そして同じような問題は飛ばすような形です。自分にはそういうやり方が合っていたように思います。
企業知財に興味があり、大学における知財の舞台も面白そうだなという気持ちがありますが、まずは特許事務所に勤めて基本的な実務を覚えたいです。バックグラウンドが科学バイオ系なので、いったんはその分野でベースとなる力をつけていきたいと思っています。その後は幅広い分野で、色々な仕事に携わりたいという希望があります。
弁理士は一回受かったら一生ものの資格です。そして合格したら祝賀会もあり、皆からとても祝福してもらえます!
勉強中には自信をなくす時や心折れる瞬間があると思います。それでも諦めずに最後まで、最後の最後までやったらきっと受かります。皆さん、頑張ってください。
女性の多くはキャリアの途中で、産休を取ったり子育てをしたりという局面に行き当たります。そう考えると、自分の裁量の中で仕事ができる弁理士は魅力ある職業だと思います。先輩弁理士からは「家事・育児とのバランスを取りやすい」と聞きます。実は弁理士とは、女性にこそぴったりな働き方なんじゃないかなと思います。
↑過去問で間違えたところを、ノートに整理されていました
↑審判の準用をまとめたもの。準用関係の整理は欠かせません