Y.I 様
40代前半
IT企業 研究所勤務
3回
基礎・短答・論文パック
嬉しさと同時に、「もう来年受ける必要はないんだな」という安堵の気持ちがあります。
そして「弁理士資格取得のためには相当な勉強が必要だった」というのが、率直な感想です。
元々研究員だった関係で、折に触れて特許に触れる機会はありました。最初の頃、「こんな仕事もあるんだな」と興味を持ったのを覚えています。
当時は知財に魅力を感じつつも「開発や研究に専念したい」という気持ちが強かったのですが、40代に差し掛かった頃に「興味ある知財分野に職を変えるとしたら、ちょうどいいタイミングかな」と思ったんです。
そうして知財部への異動を考え始めました。異動の面接を受ける中で、「知財部に行くなら弁理士資格を取った方が有利だろう」と考え、学習を始めた流れです。
はい、理系です。情報系の大学院を卒業しているため、選択論文は免除となりました。
まず「オンラインで学習したい」という点は決めており、複数の予備校を比較しました。
WEB上の評判を見て、教材の質とコスト面のバランスを考えた時に、「一番良さそうだ」と感じたのが資格スクエアでした。
倍速機能はよく使いました。最初に聴く時は1.2~1.3倍で、2周目になると1.5倍くらいで聴いていました。
また聴き直すことも多かったので、巻き戻して聴けるところが助かりました。
あとは質問機能ですね。自分自身が質問することはなかったのですが、他の受講生の方の質問を見るといった形で使っていました。
↑講義画面の機能が豊富なのが、資格スクエアの特長の一つ
講義に関しては、菊地先生のお話は法律家としての心構えから入っていきます。単純に、受験上必要な知識やテクニックだけを教えるのではありません。その姿勢や法学の土台の部分に触れることができたのが、勉強を始める上で大変有効だったと思っています。
林先生は、資料や問題の質が非常に高い印象です。 論文式試験というものは、枝葉を伸ばせばいくらでも必要な知識が広がり収拾がつかない部分があると思うんです。林先生の資料は、その必要な部分を過不足なくまとめてあります。
問題に関しても、ポイントとなる論点部分を凝縮して出題していただいたのがとても役立ちました。
↑林講師の「論文実践講座」は
過去問のエッセンスを集約したオリジナル問題を使用し、合格のポイントを過不足なく習得
2019年の11月に学習を開始し、「初年度短答、二年目に論文・口述」の計画でした。
まず2020年が1回目の受験ですが、この時は短答式試験に合格しました。2回目は論文式試験を受けましたが残念な結果でした。そして3回目に論文式試験を突破し、口述試験も受かって最終合格となった形です。
まずは基礎講座から始めました。
そして翌20年1月の途中からは短答対策講座を始め、基礎講座と並行して進めていきました。短答の問題を見た時に分量が非常に多いと感じ、「短答の勉強もそろそろ始めた方が良さそうだな」と思ったからです。
基礎講座は講義を視聴し、予習課題を進めました。短答対策講座の方は、やってみて分からない部分は青本を読むなど、条文に立ち返りながら勉強しました。
四法対照にはずっとメモ書きをしていました。とはいえ、色を変えてマーカー引きをするようなことはありません。同じペンを使い、気になるところはどんどんメモしていく感じです。
はたから見ると非常に汚いと思いますが、「自分には分かる」形で書き込んでいました。
メモ書きの内容は色々です。
例えば条文番号を引用している条文がある場合、最初の頃は条文をよく知らないため、その引用されてる部分が何を意味しているのかを理解しづらいです。そこで、「その条文が何を意味してるか」というところをよくメモ書きしていました。
慣れてくると、条文番号を見れば何を意味してるか分かるようになってきます。
そうしたら今度は、青本やレジュメに書いてある追加的な情報を書き込んでいきました。「趣旨はこういうもの」とか「ここの文言の具体的な内容はこれとこれ」といった感じです。
あとはやはり「特実意商の違い」の部分は、特に目立つような形で記載するようにしていました。
↑Y.I様が短答対策で使われた、エクセル資料の一部
四法の審判手続きを図で整理
この頃は1日に2時間くらいです。直前期になると、土日はかなりやっていました。時期によってばらつきはありますが、週に20時間程度時間を取っていたと思います。
限られた時間の中での学習だったので、例えば短答過去問を解く際には朝の時間帯に机で紙の問題に向かい、解説を聴くのは通勤の電車の中でした。
また、家事の最中にスマホで講義を聴くといった形で、とにかくスキマ時間を活用しました。
短答式試験の直前にはWEB問題集も解きました。
はい。時間の余裕がなく、それまで論文対策は全くやっていませんでした。
論文講座の最初の方を観たり、問題を解いたりと、論文の書き方の初歩を学んだ状態でこの年の論文式試験に臨みましたが、やはり突破は難しかったです。
論文は書き方・解き方・実践講座がありますが、その全部をマスターして試験に臨もうと決めていました。
全ての内容を消化するために試験日から逆算し、「いつまでに書き方を終わらせる」「解き方を終わらせる」「実践を終わらせる」と、週ごとのスケジュールを立てました。
感触としては悪くありませんでした。ただ、「ところどころ知識のインプットがまだ足りていないところがある」とは感じました。
結果的には商標が一点足りず、この年の論文合格は逃してしまいました。
今商標について振り返ってみると、やはり条文の当てはめをしっかりやらないと点数にならないと思います。
「あと一点」ということで、一定の手応えは感じました。ただ次回で受からないと短答免除の期間が終わり、翌年はまた短答を受けなければならないため、そこのプレッシャーはありました。
そんな中で工夫したのはインプットの方法です。
それまでは青本講座や論文講座についている資料を自分なりにまとめて、それを見返していました。基本的にやることは変わりませんが、この年からはスマホを使いました。自分でまとめた内容から自動的に問題を出してくれるスマホアプリがあって、それを活用した形です。
ベースは林先生が用意された資料です。資料の内容がアプリからどんどん出題される形にして、インプットを強化していきました。
↑Y.I様が使われた、問題生成アプリ「Anki」
林講師のレジュメを基に、問題を出力
青本自体はあまり読まず、青本講座についている資料を読みました。そして、その青本講座の資料の内容を先ほどのアプリに全部入れて、アプリから出題させ、習得していった感じです。
青本には当然ですが歴史的経緯など、試験に直接は関係ないことも書かれています。その中から必要な部分だけを抽出してあるため、青本講座の資料は重宝しました。
また、青本講座の資料は優先順位付けの星マークも付いているので便利でした。
ちなみに二年目に最初の論文式試験を受けた時は星5つと星4つの部分を見て、星3つ以下はほとんど見ませんでした。
三年目に2回目の論文式試験を受ける際には、星5つと星4つを重点的に学習しつつ、星3以下も見る余裕が出てきて、まんべんなくインプットできたと思います。
短答過去問を解いた時と同じように、基本的には朝の時間を使いました。
論文講座の書き方、解き方、実践の全ての問題を読んで解答を書きました。答案構成を作るだけでなく全文書きまでした感じです。
添削の機会は特に設けませんでした。論文式試験は前年度に1点差という惜しい結果だったので、今やっている学習を積み重ねる形で問題ないと考えたからです。
特許が厳しかったですね。1問目が全く解けなくて非常に焦り、「他の問題を先に解こう」と先に進みました。2問目以降の問題は解けましたが、1問目は最後までうまくいかず、少々不安が残りました。
意匠は戸惑う問題もありましたが、概ね書けました。商標は前年度の反省から当てはめに細心の注意を払い、手応えを感じました。
結果的に、この年の論文式試験は突破することができました。
論文式試験が終わった後、2~3週間ほどお休みしてから口述対策を始めました。
まず過去問の問題集を1冊こなしました。あとは先ほどのお話にも出てきたアプリを使い、継続してインプットを行っていった形です。
特許は時間より早く終わったので安心しました。
ところが意匠でかなり手こずりました。最初の問題でなかなか答えられずに時間が過ぎてしまい、助けてもらってようやく次の問題に進んだんです。その結果残り時間がかなり少なくなったため、以降は焦りの気持ちを抱えながら答えていきました。
正直なところ、時間通りに終わったかどうかも分からないような状態で終了したという形です。
商標は問題なく答えられましたが、そちらも時間一杯になってしまいました。
そんなわけで、意匠と商標については合格点に達しているかどうか分からない状態で試験を終えました。
家族と過ごすことが息抜きでした。
また、ちょっと試験の間が空く時には、趣味のために思い切って休みました。
もちろん試験直前にはやらなければいけませんが、可能な時は休み、メリハリを利かせるといいのではないかと思います。ただ、間を空けすぎると知識がリセットされてしまうので、ある程度これまで学習した内容に触れつつ休む形がお勧めです。
家族も応援してくれましたし、「その期待に応えたい」という気持ちがエネルギーになりました。
初年度に受験した頃は通勤していましたが、途中からテレワークになりました。そんな中で、学習にしろ息抜きにしろ、家庭とのバランスを取りつつ乗り切ったという実感があります。
私は現在企業の知財部に所属しています。知財部スタッフとして社内でキャリア形成していく上で、弁理士資格を一つの武器として使っていきたいと考えています。
非常に挑戦しがいのある資格試験だと思います。だからこそ「気軽に受ける」というわけにはいかないかもしれません。
ただやってみないと分からない面がありますし、やってみてはじめて「自分がどこまでできるのか」を掴め、その先のビジョンがクリアになると思います。
もし今弁理士試験に興味があるのなら、受けるかどうか悩む前にまずは勉強を始めてみることをお勧めします。
Y.I様は、短答・論文それぞれに「まとめ資料」をエクセルで作成されていました
↑短答対策用:特許「拒絶理由・異議申立理由・無効理由」の整理例
↑短答対策用:四法横断でのまとめ方の例(審判手続き)
↑論文対策用:特許法の趣旨関連のまとめ方の例
林講師のレジュメを、フィルター機能で抽出しやすくした形
↑3年目の論文・口述対策で使用され、合格のキラーアイテムの一つともいえるアプリ「Anki」のメイン画面
利用には一定のスキルがいるそうですが、自動でフラッシュカードを作れる便利ツール