A.Y 様
28歳
公務員
4回
基礎・短答・論文パック、論文添削ゼミ
現在特許事務所に勤務しており、弁理士の方の多い環境にいます。職場で「いつ弁理士資格を取るの?」というプレッシャーを感じることもありました。そんなわけで、とてもホッとしています。
資格試験の勉強を開始したのが2018年で、転職したのは2019年の11月のことです。
当時から「職人の仕事に就きたい」と、もう心に決めていました。それで「実務経験を積むのは早い方がいいかな」と思ったんです。資格取得前でしたし、さらに言うなら短答式試験にも受かっていない時期のことですが、ご縁があり希望の事務所に転職できました。
大学時代は理系で電磁気学を専攻しており、知財関係に触れたことは一切ありませんでした。
まず「今のまま公務員の仕事を続けても、スキルが身につかないのではないか」という危惧がありました。ただ一般企業の会社員として周囲と協調し、今後何十年もチーム作業を続けていくことを想像した時「ちょっとつまらないな」とも思ったんです。それは、自分のためにもならないと感じました。そこから「手に職をつけた専門職に就きたい」という気持ちが強まったんです。
ただ大学院に進学しなかった時点で「研究職の道へは進まない」と自分で決めていました。「それなら他にどんな理系の専門職があるのか?」と模索していた時に、弁理士という仕事を見つけたんです。当時法律関係に携わる彼女と付き合っていたこともあり、仕事の話を聞くにつけ、理系と法律の知識を活かす弁理士という仕事への興味が深まりました。そんな風に色々な事情が組み合わさり、弁理士試験受験を決めた形です。
短答・論文・口述と3つ試験がありますが、全ての試験に1回ずつ落ちたんです。
まず始めに受けた2019年の短答式試験が不合格でした。そして2020年に短答式試験に合格し、2021年の論文式試験に合格し、2022年の口述試験に合格しました。つまり4回目で最終合格ということになります。
「最初は短答式試験に受かろう」と考え、短答対策に専念しました。
ただ、短答式試験に受かった次の年から2年間試験が免除になりますよね。要は免除される制限時間のスイッチが、短答に受かった瞬間入るわけです。自分としてはそのプレッシャーが思ったよりつらかったというのがあります。それを振り返ると「1年で複数の試験に受かる方が良いな」と思う部分もあります。
2018年の8月頃に弁理士試験の学習を開始しました。年内いっぱいほどで基礎講座を終え、そこからは短答対策、過去問に移りましたが、初めて受けた2019年の短答式試験は不合格でした。
実はその後の一年も論文には手をつけず、ずっと短答対策をやっていたんです。今考えれば、論文の学習も進めればよかったとは思います。そうして2020年に2回目の短答式試験で合格し、その年の論文式試験は不合格でした。
はい。翌2021年の論文式試験に合格しました。論文対策については資格スクエアで推奨する流れに沿って進めるのが一番効率がいいだろうと思い、2020年の5月から2ヶ月ほどかけて書き方講座・解き方講座の講義を観て、その後は実践講座で演習をこなしました。また同時に青本講座のレジュメを使い趣旨を覚えました。
僕は書き方・解き方の後の段階で、実践に近い形として取り組みました。
ただ、「短答と論文を切り分けて考えるべきではない」ということを出発点にして考えると、短答の勉強と並行し、基礎講座を観た後くらいから青本講座に取り組んだ方が、論文学習で苦しむことがないかと思います。
まずは講義動画を観ました。その中で林先生が書き方を教えてくださるので、その後復習の一環として例題を解いていました。
「もう絶対に落ちた」と思いました。面白いもので、落ちた時の方が自信があって、逆に受かった時の方が不安がありました。
特許事務所の先輩がおっしゃるには「できなかったところが自分で分かるくらいになれば上達している」ということです。この経験で、その言わんとすることがよく分かりました。
実は論文式試験が終わった直後はサボっていました。論文に落ちたと思っていたからです。
その後合格が分かり、焦って口述試験の対策を始めました。そんなわけでその年の口述試験は不合格でした・・・。
2021年の口述試験不合格時は「来年もし口述試験に落ちたら短答式試験の免除期間が終わる」「もう一度短答式試験を受けなければならない」という、後のない状態だったんです。
口述試験はシステム上、受験した時の感覚でほとんど合否が分かります。それで2021年に受けた時にはもう不合格と分かっていたので、次の日から勉強を始めました。
そうは言っても、その年の口述試験が終わった直後ですから、どこの予備校もまだ口述の対策などやっていません。それで資格スクエアの青本講座で使った趣旨をまとめたレジュメを観たり、他校の口述レジュメを使ったりしました。さらに過去問を解きました。
口述試験は最後の問題までいけばほぼ合格という形なので、「これは受かったな」と分かりました。ただ会場に入る時は人生で一番緊張しましたね。
予備校についてネットで検索したところ、「資格スクエアと他2校の三択だろう」という口コミが主流でした。僕は仕事の傍ら試験勉強をするので、通学という選択肢は難しいかなと思ったんです。資格スクエアなら通信型だし、無理なく仕事と学習の両立ができる。そう考えたのが大きなポイントですね。
基本的に新しい概念をゼロから学ぶので、その場では菊池先生のおっしゃってることの4割くらいしか分からなかったです。その後演習をする中で残り6割を理解していった形です。
ただ思っていたよりもずっと丁寧な講義で、身近な話題と組み合わせて話してくださったため、「法律だから」という理由で抵抗を覚えることはなかったです。
菊池先生の講義は、単に個々の条文の説明にとどまりません。法律のベースというか、「法律というのは大体こういう考え方をするマインドがあるんだよ」といった説明が折に触れてありました。そのため、「何が原則で何が例外か」という点をしっかりと自分の中で整理しながら理解することができたなと感じています。
余談になりますが、今年の口述試験の特実の最後の問題がかなり印象的な内容でした。条文がそのまま根拠になる問題ではなく、菊池先生から教わった基礎的なリーガルマインドを使って解くような問題だったんです。最後の最後にまた「菊池先生に教わって良かったな」と思いましたね。
論文書き方講座です。法律の論文試験の学習は、本当に生まれて初めてのことでした。「どうすれば点数が取れるか」という試験で一番考えるべきところを、論文学習の一番最初に知ることができたというのは、本当に良かったと思います。
論文講座と言えば、林先生の添削は本当に丁寧でした。添削で指摘されたところを、随時反映していき力をつけていった感じです。
誰もがおっしゃるとは思いますが、一番重要なのは「条文から離れた勉強をしないこと」です。今、過去の自分にアドバイスするとしたらそう言いたいですね。
はい。四法対照は主に書き込み用に使っていました。
例えば「公然」といえば、条文上は「公然」としかありませんが、そこから線を引いて「秘密を脱した状態」と意味を書いていくような形です。判例も書き込みました。
またマーカーを使い、「原則」「要件」「例外」と色分けしました。それは情報が分かりやすくなるように色分けするというよりは、流し読み防止のために線を引きながら読んでいたようなイメージです。
暗記は得意な方ではありますが、四法対照は軽く10周以上読み込んで地道にインプットしていきました。
一番つらかったのは論文式試験が不合格だった後です。模試を受けてもあまり良い結果が出なくて「今年の論文もダメなのかな」と思いながら対策を続けました。
ただこれまで、学習面で何かを断念した経験がなかったため「ここで諦めたくない」という気持ちが大きかったように思います。
また環境的な要因もあります。特許事務所に勤めている関係で周りは弁理士ばかりなので「資格があるといいな」と羨ましく思う気持ちもあり・・・これがモチベーションになっていたところはあります。
弁理士資格を有効に使って活躍したいなら様々な方法がありますが、自分としては外国の案件をこなしていくのが王道という気がするんです。そこで現在は英語と米国実務の勉強に取り組んでいるところです。パテント・エージェントの資格を取り、将来的には米国の仕事をどんどん受けられるようになりたいと思っています。
一番伝えたいのは「根気よく努力してもらいたいな」ということです。弁理士試験は、一部の天才や、頭の切れる人じゃないと受からないという試験ではありません。何度失敗しても机に向かい続けることが成功の秘訣だと思います。