増田 俊明 様
30代前半
メーカー知財部
2回
基礎・短答・論文パック
終わった安心感と達成感が大きいです。2年の学習期間でしたが、もしもあと1年ということになったら、「モチベーションの部分で厳しい」と思っていました。今年結果を出せて本当によかったです。
元々は研究部に在籍していましたが、2020年の4月に知財部の方に異動になりました。
スタッフの多くが弁理士資格を持っているため、知財のエキスパートといえばやはり「弁理士」というイメージがあります。「せっかく知財部に異動するなら専門家として活躍していきたい」と思ったのが、弁理士試験受験のきっかけです。
ただ異動したての時期は、勉強よりも仕事を覚える方が先だろうという考えがあって、しばらく様子を見ていました。そして秋頃から翌年合格を目指す弁理士講座が少しずつ目につくようになり、11月に受講を開始した流れです。
大学院では有機系の材料の研究をしていました。ただ選択論文については、化学で普通に受験しました。
まず「知財部の方で人を探してるんだけど興味はある?」と打診を受けました。当時研究職に就いていたため自分で特許出願をしたり、知的財産管理技能検定Ⓡを取得したりという経験もあって、知財には関連も深く「行きたいです!」とお受けしました。
実は合格するまで受験することは話さなかったんです。そんなわけで完全に自力で進めました。
まず前提として通信型を希望していました。通学型の予備校に通えないこともなかったのですが、「予備校まで一時間近くかかる移動時間がもったいない」と感じました。
ただ「通信型の場合、対面と授業と違って質問がしづらいのでは?」という懸念があったんです。そんな中で、資格スクエアの「ワンクリック質問機能」に大きな魅力を感じました。
また、価格面の折り合いも大事でした。高額の受講料は困りますが、あまりに安すぎるところも不安だったんです。複数の予備校を比較して、金額的にもバランスが取れていると感じ、最終的に資格スクエアを選びました。
講義画面のボタンからいつでも質問できる、資格スクエアの「ワンクリック質問」機能
青本講座のテキストです。本当に使い倒しました。このテキストで学んだことが、論文式試験はもちろん、口述試験、場合によっては短答式試験にも活きたかなと思っています。最低限、キーワードを見て趣旨が出てくるようにしようと意識しながら繰り返し学習しました。
答練の時も趣旨問題で分からない問題はありませんでした。やはりベースとなるのは趣旨ですから。この青本のテキストのおかげで、趣旨に関しては論文、口述ともに自信を持てたと思っています。
2021年の短答式試験はほぼお試しのつもりで受験しました。3時間半という長丁場の試験で、「最後まで解き終わるか」「集中が続くか」という、時間と体力の面を意識して確認したいなと思ったからです。
結果的には不合格でしたが、22年の短答式試験合格にはこの経験が活きてきたと感じています。
例えば実際に受けてみると、「ちょっと早めに座席に着いて」「このタイミングで試験官が来て」といった、一連の流れや緊張感といったものも体験できます。模試や自宅練習ではなかなか実感できない部分もあります。また、願書の提出についても特許印紙を買う必要があってちょっと手間取ったので、そこも1年目にやっておいて良かったですね。
「2022年合格目標のスケジュール」という林先生のYouTubeの通りです。これに合わせて「今月はこれをやろう」と決め、進めていったイメージです。
林先生お勧めの、基礎・論文書き方・青本講座を並行して進める方法で取り組まれました
まず2020年の11月から基礎講座を始めて、年明け1月末には一周終わっていたと思います。
その後は青本講座、論文講座と進めました。21年の10月からは短答対策講座も並行してやり始め、徐々に短答の比率を上げ、22年の春頃からは短答メインの学習に切り替えました。短答合格後は論文に集中し、論文合格後に口述対策をしていった流れです。
はい。林先生がお勧めするスケジュールに「基礎講座・青本講座・論文書き方講座を並行して進める」とあったため、全くその通りにやりました。
まず基礎講座を聴き、基礎講座でやった関連の青本講座を聴き、青本講座でやった関連の論文書き方講座を聴き、という形です。そうすると、基礎講座自体は一周目であっても、同じ単元を3回、一周目でやる形になります。学習の中で分からないところがあれば、基礎講座をもう一度観直していました。
講座は違えど同じ内容を何度も学んだことは土台作りに有効でした。時間をかけてしっかりと基礎固めをした結果、二ヶ年計画で最終合格を掴めたのだと思っています。
その頃は講義の板書を少しノートにメモしていましたが、概ね講義を観ることでインプットしていったイメージです。
学習内容の集約としては、短答対策を始めた21年10月頃から四法対照に書き込みをするようになりました。条文を読み始めるのが若干遅かったのですが、四法対照もこの時期に買いました。
菊池先生が「条文を10回読まないといけない」というお話を頻繁にされてたので、ちょっと慌てて読み始めた感じです。10回読んでいく中で、短答の過去問や一度やって分からなかった問題について書き加えていき、四法対照を見ただけで短答のポイントが分かるような形でまとめました。
全条文を読むかどうかは別ですが、基礎講座を一周か二周して、ある程度全体が分かってきたタイミングでしょうか。
条文の言葉の硬さに馴染みもなく、一周目はかなり読むのに時間がかかりました。早めに読み慣れておけば、その後の学習もさらにスムーズに進められたのではないかと感じています。また「講義で言っていたのはこの条文だな」というように、リンクさせながら読めればさらに効果的だと思います。
過去問に取り組む際の勉強方法について、菊池先生は「ただ答えが分かるだけでなく、ちゃんと根拠が分からないと意味がない」とおっしゃっていました。
自分は明確に「何条」と言えるようには暗記していませんでしたが、少なくとも「こういう条文があるから〇」「こういうふうに書いてあるから✕」と、何らかの根拠を持って答えられるようにするべきだと気づけました。復習の時もそこを意識してやるようにしていました。
「6割方受かった」と思いましたが、絶対という自信はなかったです。
具体的には「迷ったところがいくつかあったけれど、その半分くらいを取れていれば受かっているだろう」といった所感です。夜に出た解答速報を基に自己採点して、ほぼ合格だろうと分かりホッとしました。その後は合格発表を待たずに、論文の対策に本腰を入れました。
講義を受けるスタイルとしては、まず自分で問題を解いてみて、講義を観て、その後にもう一度自力で再現してみる、という形を取っていました。基本的に構成だけではなく、論文として書き上げるようにしていました。
もちろん最初のうちは全然解けなかったです。それでも書けるだけ書いてみて、後から足りないところを確認して補強していきました。
論文書き方講座、解き方講座、実践講座と一通りやったところで、「論文の書き方のイメージは固まってきたかな」と思っています。
ただ時間配分については、模範解答通りに書くとどうしても時間が足りなくなってしまうので、そこをどう取捨選択するかという部分で悩みましたね。
一番役立ったのはやはり論文書き方講座です。「もう何を書いたらいいか分からない」というところからスタートしたので本当に助かりました。
林先生が要件を順番に列挙して「この条文を当てはめるときは要件がいくつある」という形で一個一個整理してくださいました。結局そうしたポイントが重要で、難しい問題を解くときもベースになるため、当てはめのスキルや論の立て方を一通り掴めたところが良かったと思います。
また、個人的に細かく覚えることがやや不得手でしたが、林先生はよく「要件が何個あるかだけでも覚えておけばいい」とおっしゃいました。例えば「要件が4個ある」と覚え、「3個しか出なかったらもう1個探す」といった感じです。全て覚えなければいけないと必死になるのではなく、「3個ある」「5個ある」というレベルで比較的ざっくり暗記していくスタイルが自分には合っていました。
それまでやっていなかった論文の過去問に取り組みました。
またこの時期は、全文書きをするとかなり時間がかかってしまうので、今まで解いた問題の構成だけを書くようにしていました。そうして、なるべく問題の数をこなすように意識しましたね。
大学時代に使っていた教科書と過去問を使いました。その二つがベースです。論文必須試験が終わった後から学習を開始したので、試験までは選択の学習に力を入れました。
当日は最初の科目である特許がうまく書けたように思います。スムーズなスタートが切れたことで心が落ち着き、全体的に「まずまずの結果だな」という手応えを得ることができました。「書けた」と確信できる部分と、試験終了後に予備校から出る速報を見てから「論点落ちはしてないようだ」と安心した部分があった感じです。
ただ論文式試験は相対評価なので、自分が書けたと思っても他の人がそれ以上なら受かりません。そういう意味では若干不安はありました。
正直なところ、試験開始直後は頭が真っ白になりました。
論文の中でも特に特許は時間が限られているので、焦りの中でも、何か書かなければいけないところがあります。そこで、ひとまず当たり障りのないところを書いてみて、書きながら考えました。手を動かしていると気が紛れてきて、書いてるうちに頭がクリアになり、答案構成も徐々にできていきました。最初の方はやや支離滅裂な文章になっていた気もしますが、何も書けずに悩んでいる時が一番つらいので、まずは書くことで頭の中を整理して対処しました。
論文の合格発表を待たずに口述対策を始めました。勉強時間は論文前よりやや少な目です。ただこれまで蓄積してきた学習内容を忘れないように、30分、1時間程度であっても毎日取り組んでいた恰好です。
資格スクエア、他社、特許事務所主催で合計3つを受けました。資格スクエアの口述模試は他と違い、少し早めに会場入りして待機時間があるような流れでした。これが実際の試験に近い雰囲気で、本番に似た緊張感を予め体感することができたと思っています。
多少詰まることもあり、助け舟を出してもらう場面もありましたが、全科目時間内に終えることができました。そういうわけで、会場を出る時には「恐らく問題なく合格だろう」という気持ちでした。
平日は3時間、土日はそれぞれ5時間ずつです。
全体で言うと、月の目標勉強時間は100時間でした。週25~30時間くらいです。直前期は月10~20時間ほど増やして取り組みました。
時間を有効に使うために、例えば片道30分の通勤時間に電車の中で講義動画を観たり、WEB問題集を解いたりしていました。座席に座れる時は条文を読みました。
弁理士試験です。大学受験は基本的にやらなければならない、ほぼ必須の試験だと思いますが、弁理士試験は自分でやると決めて取り組むものです。極端な話、怠けようと思えばいくらでも怠けられます。その中でしっかり二年間やり切るのは簡単なことではありません。今振り返ると、自分でも「よくここまで勉強してきたな」と思います。そういう意味で弁理士試験合格の達成感はより大きかったです。
長期間の勉強の中では、どうしてもモチベーションが落ちてしまう時が何度かありました。そんな時、たまたま社外で弁理士の方のセミナーを受けたんです。弁理士の業務に関わる内容でしたが、これが起爆剤になりました。
以降やる気が落ちそうになった際は、その時の弁理士の方のお話を思い出すようにしていました。
まず「家族との時間を大事にしよう」という前提がありました。先ほどお話ししたように、土日の勉強時間は5時間程度と、休日にしては比較的少ない方なのかなと思います。「勉強するときはする」「しないときは家族で過ごす」というメリハリをなるべくつけるようにしていたからです。
そうやってオンとオフをしっかり切り分けていたのが、結果的に良い気分転換になりました。
通勤の移動中、WEB問題集に取り組んでいたのが良かったと思っています。
本で学習する場合、例えば時系列を紙に書くといった形でじっくり考えます。一方WEB問題集を電車の中でやるとなると、頭の中で整理してスピーディーに解かなければなりません。その甲斐あって、問題を解くスピードが格段に早くなりました。もちろん本番ではミスをしないために時系列を図に書きます。ただそのあたりもWEB問題集で鍛えられ、問題を読みながら頭の中でイメージできるようになっていきました。
スキマ時間で肢別過去問を解ける、WEB問題集
企業の知財部に在籍しているので、インハウスのまま仕事を続けようと思っています。特許事務所で仕事をするというより、弁理士資格を武器に、専門性を活かして企業の事業や経営を知財的な側面からサポートできるような弁理士になりたいと思っています。
弁理士試験というのは大学受験とは違い、自分自身で「やろう」と決めて主体的に学習していくものです。だからこそ「やろう」と強く思わなければ達成するのが難しいと思います。モチベーションの維持が困難な時は、自分が弁理士になった姿をイメージして、ぜひ合格を勝ち取ってください。