K.M 様
30代前半
メーカー研究開発
2回
基礎・短答・論文パック、論文添削ゼミ
二年間毎日勉強してきましたが、ようやくその苦労が報われ、大変うれしく思っております。
はい。理系で修士を取得したため、選択論文は免除になりました。学生時代は主に無機化学を中心に研究していました。
前職で研究職に就いていたため、知財は身近な存在でした。知財関係の方と話をしたり、自分の研究開発で実際に特許出願の書類を書いたりという機会がありました。そんな中で徐々に興味が深まっていきました。
コロナ禍の中で自分を見つめ直した時、「このままメーカーにいて一つのことを突き詰めるよりも、もっと幅広い研究に携わりたい」という気持ちに気づいたんです。
弁理士になれば、多種多様な分野や業態の研究に触れることができます。そこで「せっかく時間に余裕ができたのだから弁理士の勉強を始めよう」と決心しました。
弁理士試験は合格率も低いですし、論文式試験や口述試験のことを考えると「ちょっと大変そうだな」とは思いました。
ただ、以前に法律に触れる仕事をしていた経緯もあり、法律学習に抵抗はありませんでした。また、新型コロナの影響で外出する機会が大幅に減り、勉強に充てる時間はたっぷりあるため、2年ほど勉強すれば合格できるだろうと確信していました。
まず通信型の予備校を探していたという前提があります。そして他社と比較した時に、資格スクエアのオンライン講義は充実度が高いと感じました。
「ワンクリック質問機能」で気軽に質問ができることや、ストリーミング再生でどこでも自分の好きな場所で勉強できるところが決め手となりました。
講義下のボタンからいつでも質問できる「ワンクリック質問機能」
また他の予備校の場合、オンラインだけでも色々な講座があって、多くの先生がいるため、「選ぶだけでも一苦労だな」と感じました。資格スクエアの場合、短答は菊池先生、論文は林先生のお二人で、「この先生方のもとで学習すれば合格まで行ける」という明確なビジョンを持つことができました。
テキストがとても分かりやすいです。基礎講座、論文講座ともに簡潔にまとまっていて、要点やポイントを掴みやすいと感じました。
また、講義もとても丁寧です。
例えば論文講座の場合、構成の取り方はもちろん、「加点になるポイント」まで、事細かに指導してくれます。特に意匠、商標が役立ちました。
基礎講座は網羅性が高いので、全ての講座を終えた後で再視聴すると、内容が一層よく理解できます。私は基礎講座テキストは辞書として、参照用の役割で使っていました。
基礎講座テキストはノートとしてではなく、
分からない部分を都度立ち返る「辞書」として用いることで真価を発揮
それから機能面で言うと、ワンクリック質問がとても使いやすかったです。
分からない時は本当にワンクリックで質問でき、早い時は1~2営業日で回答してもらえるので助かりました。おかげで「分からない」という気分を抱えてモヤモヤすることがありませんでした。
資格スクエアの受講を始めたのは、2020年の11月です。翌21年の2月初旬までは基礎講座と青本講座を中心に学習し、基礎固めをしました。2月からは短答対策講座と論文の書き方講座に取り掛かり、その後、短答学習と並行しながら解き方講座、実践講座も進めました。短答前は短答一本にシフトした形です。
はい。分かりやすく効率的なスケジュールを示してもらったと思っています。そうして、この年の短答式試験に合格しました。
短答テキストのテーマを見て、まず最初に「今日は特許法の国内優先や新規性・進歩性を中心に勉強する」というように学習内容を決めます。その内容を一日で過去10年分勉強する形です。
そして解答を見る際に基礎講座のテキストを開き、間違っているところと合っているところを確認しました。
過去問がテーマ別に収録された、短答問題集
このスタイルで、翌日は意匠、翌々日は商標というように、日ごとに試験科目を変えて勉強しました。所要時間で言うと、10年分を、解答を見る時間も含めて約3時間で回していました。
1分考えて答えが出なければ、10分、20分考えても答えは出ないので、漫然と時間をかけるということはしませんでした。
それなら、間違えたところを後からよく確認していった方が、むしろ頭に入りやすいと思います。
間違えたところは解答を見て、条文にどう書いてあるのかを確認します。そして基礎講座と青本講座を観返して、趣旨やキーワードといったところをチェックしました。
四法対照に書き込みはしませんでした。読みやすいよう綺麗に使いたかったので、マーカー引きもしていません。
まとめの際は問題をコピーしました。間違えた部分をそこに書き込みました。例えば、「ここの新規性については刊行物ではないから✕」というように書きます。
あとは、「29条1項3号」といった形で関連法についてもメモしました。
特許と条約はちょっと怪しかったですが、意匠、商標、不正競争、著作は何とかいけるんじゃないかなと思いました。3時間の試験ですが、開始から1時間半ほどで全問解けて、自分の中ではギリギリ40点くらいかなという感覚でした。
これまでの学習の中で、時間を区切り、考え込まずにパッパッと解いていくというスタイルを確立していたことが功を奏したと思っています。
残り時間はマークミスがないか等、余裕をもって確認できました。
2021年の試験時は論文実践講座までギリギリ観終わっており、添削ゼミも受講しました。
試験まで約1ヶ月と時間がなかったため、論文を書く時間をスピードアップする練習に2~3週間を費やしました。
そして、残りの1週間で判例や審査基準のキーワードをチェックし、書き方講座で林先生からいただいたテキストを読んで、論文の書き方を再確認しました。
短答合格の勢いに乗って論文も合格できたらと思いましたが、この時は3点足りず残念な結果となりました。
最後の商標がとても簡単に感じられ、書くことがなくなってしまったのを覚えています。今振り返ると、逆にそこが落とし穴だったと思います。もう少し細かいところを書いておけば点が伸びたかもしれません。
構成をよく考えてプラスアルファになる部分を増やす。つまり加点を狙っていく姿勢が足りなかったと感じています。
まずもう一度基礎講座、青本講座を観直しました。それが一通り終わったところで、論文の書き方講座から実践講座までを再度受講しました。
この時は青本講座と並行しながら進め、構成の取り方や、要件・効果・結論について綺麗に書けるように意識しながら、しっかりと取り組みました。
一度試験を受けた後で改めて基礎講座を観ると、以前は気に留めなかったポイントや落としていた要点について、「菊池先生は実はとても丁寧に教えてくれていたんだな」ということに気づかされました。そこで取りこぼしていた残り3割を補完したようなイメージです。
また、林先生の論文講座は要件・効果・結論が非常に分かりやすくまとめられています。青本講座も趣旨の要点といった重要部分にしっかりと線を引いてくださっているので、そこをしっかり習得して型を作っていきました。
型を作った上で菊池先生の基礎講座に立ち返ると、細かな理由付けや例外についてスッと頭に入ってくるんです。
林先生の論文講座が骨組みを作るのであれば、菊池先生の基礎講座はその骨組みに粘土を埋めて形作っていくイメージです。
講座申し込み特典の「100の問診票」です。答えを全て書き込んで見返し、100個全てに答えられるところまで使い倒しました。
始めは1週間で1周、慣れてきたら3日で1周、直前期には1日で1周というように繰り返しました。じっくり読み込むというより、キーワードがパッと浮かんでくるようにテンポよく見返していった形です。最終的には200周くらいしたのではないかと思います。
これまでの勉強経験からだと思います。
限られた時間の中で深く勉強しようとすると、時にそれが足かせになって前へ進めない時があります。また試験時間も同様に有限ですから、じっくり記憶を掘り起こす余裕はありません。
人の記憶はどうしても抜け落ちていくものなので、スピード感をもって繰り返し、知識を定着させる必要があります。日々訓練しておけば、本番でも必要な情報をスッと引き出しから持ってくることができるので慌てません。
一方で、もちろん深く読み込むことも大切だと思います。
最初に素早く全体の骨組みを掴んだ上で、基本書や判例を読み込む時間も作りました。時期によって異なりますが、1週間に1回、3日に1回といった頻度で、じっくり知識を肉付けしました。
特許で少しつまづきました。意匠、商標が結構できたので、「論文式試験に受かる確率は60%くらいかな」という感覚でした。
「分からない問題はひとまず置いておく」という潔さだと思います。
論文式試験は試験時間がとても短いので、考えて何も頭に浮かばなかったら時間のロスが合格の妨げになります。それならば、自分が解けそうな問題の方にサクッとうつった方が得策だと考えました。
実は前回の論文式試験で、深く考えすぎてしまったんです。それで時間が足りなくて、解けるだろう問題が書けなかったため、とても悔しい思いをしました。
その反省を活かし、「分からない問題はどうせ皆も分からないんだから」と潔く飛ばして、平均を目指すことを意識しました。
はい。1日ほどお休みして開始しました。口述のテキストが手元にあったので、まずはそれをサラッと1周しました。
論文に合格しているかどうかは分かりませんでしたが、1週間でもブランクを空けると、知識が抜け落ちてしまうと思ったんです。
会派を2つと資格スクエアで、計3回受けました。
資格スクエアの口述模試は、菊池先生、林先生をはじめとする先生方が、とても丁寧にアドバイスしてくださったのを覚えています。
試験の内容はもちろん、話し方や服装まで細かくチェックしてもらえたので、とても助かりました。
特許に不安がありましたが、意匠、商標は時間内に終わったので合格を確信しました。ようやくホッとできて、その日は久々に飲みにいきました(笑)。
平日は3時間、休日で9時間ほど勉強してたので、週平均すると約30時間です。
会社から帰宅して1~2時間ほど休憩してから勉強に取り掛かる日々でした。
まず最初に、本番の試験日から逆算して学習計画を立てました。
そして毎日21時になったら、例えば「今日は29条関係を3時間勉強する」といった形で予定通りに進めます。
自分は、計画を立てておけば、さほどモチベーションを持たなくても勉強できるタイプです。「今日はどうしてもしんどいな」と思っても、勉強開始時間にペンを持てば、スイッチを切り替えタスクをこなしていけました。
ただしオンオフははっきりと分けて、休む時はしっかりと休みました。自分なりのルールを決めるのは大切だと思います。
特許、意思、商標といった分野にとらわれず、総合的なアドバイスのできる弁理士になりたいです。
大手の事務所の場合、特許専門、商標専門と担当が異なるところもあります。その場合、ちょっと電話をかけるにも、「特許はこの人に質問して」「商標だったら別の人に聞いてね」と、まず相談先に困るかもしれません。
私はご縁あって、受験中に希望する特許事務所に転職することができました。今勤務している弁理士事務所は、出願手続きも含めて、特許、意匠、商標と全て一人で受け持ちます。そのため一人の担当者に聞けば大方のことが分かり、フットワーク軽く対応できるというメリットがあります。
今後はワンストップで適切な方向性を示せる、誰からも頼られる知的財産の専門家でありたいと思います。
弁理士試験は近年難しくなっている傾向があります。そのため、合格までに時間がかかる人は一定数いるかと思います。
ただ時間がかかるとは言え、決して諦めないでほしいです。たとえ1回目、2回目がダメだったとしても、前回の自分よりは絶対成長はしています。
なので、諦めずに勉強を続けてください。勉強を続けさえすれば、必ずどこかで合格します。合格すると信じて勉強をしてください。それが、一番言いたいことです。
周りの弁理士先生のお話を聞いていて思うのが、「知的財産管理の役割はこれからだ」ということです。
スタートアップ企業や優良な中小企業に投資しなければ、経済の底上げはできません。では「投資を促すためにどうすればいいか」と考えた時に、やはり知的財産が重要になってきます。
弁理士の仕事は、企業の作る製品に正当な価値を与えることができます。特許を取ったり、権利を売ったりというところも含め、新たな発明に対して資金を出したい方に向けた支援もできるのです。
また、商品をどんどん保護し、ブランド戦略におけるアドバイスを与えるのは、代理権を持つ弁理士の大きな仕事の一つです。
弁理士試験は、例えば司法試験を受けて弁護士になることと比較すれば、少ない学習時間で合格できます。
そして、将来的にますます活躍する場が増える職業であることを考えれば、費用対効果の面から言ってもおすすめできる資格だと思いますよ。