T.F 様
40代前半
メーカー知財部
2回
基礎・短答・論文パック
ありがとうございます。とても達成感があります。
元々研究職で日常的に研究開発をしていたため、自分が発明者になる機会もあり、知財には馴染みがありました。ただ、知財の学習をした経験は特にありませんでした。
はい。大学は理系で学部卒です。入社してから15年ほど研究職に就き、製品開発に携わっていました。
研究職から知財部に異動になったことです。
移りたての頃は比較的仕事量が落ち着いていたこともあり、「知財について学ぶなら今だな」「せっかく勉強するならちゃんと資格を取りたい」と考えました。
弁理士資格を持つ部署の先輩方からも「受験するの?」と聞かれましたし、コロナ禍で外出できず時間に余裕があったから、というのもあります。
ただ、箸にも棒にも掛からないなら諦めようと決めていて、「2~3年短期集中」といった気持ちで取り組みました。
とても大変な試験と聞いていたので、もちろん難しさは感じていました。ただ、知財の仕事をする中で「1回は挑戦するものだろう」と思い、受験を決めました。
特にありません。ただ同じ部署に弁理士を目指す同僚がいて、情報交換をしていました。同じ受験生として教えあったり、面接の練習をしたりと、一緒に勉強をすることはありました。
先輩弁理士の方に「どこの予備校に通ったか」と伺ったことがあり、大手通学型の予備校についても聞いていました。ただ、コロナ禍ということもあって「オンラインで受講したい」という気持ちが大きかったんです。
そこでオンライン型の予備校を色々比較し、価格感がちょうど良い資格スクエアを選びました。受講できる期間が長いところもポイントが高かったです。「1回失敗しても、もう1回チャレンジできるな」という安心感がありました
講義のスピードを変えられるのはいいですね。先生方が板書する時間は1.2倍速にする等、その時々で使い分けていました。
それから音声だけで講義を受けられるので、机に向かうことなく学習ができるため助かりました。例えばウォーキングをしながら青本講座をはじめとした各講座を聴く等、時間を有効に使えたと思います。
21段階で講義速度を変えられる倍速機能は、使ってみると便利
やはりオンラインです。
通学型の場合、仕事終わりか土曜日曜に予備校に出向くことになりますよね。疲れている時は、どうしても講義中に眠くなることがあります。
そんな時、オンラインなら「一時停止して10分だけ仮眠してから再開する」といった受け方ができます。「一度講義を止めて、戻ってもう一度聴く」というのもオンライン型ならではの大きなメリットです。
自分の場合、「通学型にしていたら合格できなかったかもしれない」とも思います。
2020年11月から学習を開始しました。年内いっぱいは菊池先生の基礎講座を観て、年明けからは短答対策講座に移りました。そして3月あたりから青本講座、短答対策講座、論文対策講座を並行して視聴し、最後の1ヶ月は短答過去問をメインに取り組んだ形です。8ヶ月ほどで一通りの講座を回しました。
そうして初めての短答式試験を受けましたが、ここでは1点足りずに残念な結果となりました。
試験当日の夜、予備校が配信する解答速報を見たところ、「1点足りない」と分かって悔しかったです。「こんな小説みたいなことあるんだな」「マークシートの塗り間違いでもいいから、何とかあと1点上がらないかな」と考えたくらいです。
短期決戦で取り組んだ挑戦ということもあり、二年目は万全を期すために他校の講座も並行して受けていました。色々なパターンの問題に触れる狙いです。他校ではあえて中・上級者の講座を受講しました。資格スクエアをメインとして、応用的な部分をそちらで補う形でした。
一年目の学習で一通り資格スクエアの講義を受けているので、基礎固めについてはこの時点で一定の結果が出ていたと思います。
二年目は2021年8月から年内いっぱいまで短答と論文の学習を並行して進めました。年明けからは論文の答練にも取り掛かり、3~5月は完全に短答メインにシフトしました。
過去問を解くだけ解いたけれど「条文に戻ることが少なかった」というのが、一年目の反省点です。
そこで、過去問を解いて分からなかったところの条文を読むというより、条文全体にざっと目を通しました。二年目の直前期は、過去問を読むよりもむしろ四法対照を開いている時間の方が長かったかもしれません。
四法の対応関係を整理する意味で、マーカー引きや書き込みをしました。文末の「ならない」「してもよい」のあたりや、「但書」「例外」といったところを色分けでマーカー引きしました。
また、準用条文にチェックを入れたり、準用している場所を色分けでマークしたりといった形です。
一緒に試験を受けた友人と帰る道すがら「もし今年落ちてたら来年もう一度受ける気力ないわ・・・」と、ぐったり話しました。
私は割と悲観的なタイプで、手応えはありつつも、悪い場合を考えてしまうので、「万が一落ちてしまう可能性がある」という気分が強かったです。
結果的には46点取れていて、振り返ってみると「なんであんなにどんよりしてたのか」と思います。
林先生の板書を自分なりに噛みくだき、タブレットに手書きで入力でまとめ、それを繰り返し見ていました。特許、意匠、商標と横に並べて書いているのでかなり細かくなります。ただ、タブレットだとスワイプしたり、拡大・縮小したりして全体を確認できるので使い勝手が良かったです。
縦横サイズに制限のないデジタルなメモは、情報の体系的な集約に便利
※画像クリックで、拡大版を表示できます
答練では採点結果を細かにチェックするようにしていました。項目ごとに採点してもらえるので、6割正解しているかどうかを基準にしました。6割取れているところは「こう書いたから良かったんだな」と見極め、届かなかったところは「どうしてダメだったんだろう」と原因を探って言い回しを変えたりといった形です。
また、条文の当てはめがどうしてもうまくいかないところがある時は、答練の模範解答を参考にして書き方を真似るのは効果的だったと思います。
山を張ったところが出題されたり、直前に見返した趣旨が出てきたりしたので、「特許と商標は落とされることはないだろうな」という手応えがありました。ただ意匠の問題が特殊だったため、「ここで足切りになったらどうしよう」という不安がありました。
その3週間後に選択論文を受けましたが、こちらも「できたような」「できなかったような」という感覚でした。
なので、「もしもこれで不合格だった場合、必須と選択のどちらに問題があったのか分からないな」とモヤモヤした気持ちを抱えたまま、口述試験の勉強をしていました。
市販の問題集を買って読みました。一緒に試験を受ける会社の同僚と、週に1回30分交代で範囲を決めて問題を出し合うといったこともしていました。
資格スクエアと他校で、2回受けました。初めての口述模試は頭が真っ白になってしまったので「2回受けて正解だった」と思っています。
資格スクエアの口述模試は非常に丁寧でした。フィードバックに30分も時間を割いてくれて、これが本当に助かりました。しかも無料で受けさせてもらえるというのが、とてもありがたかったです。
特許でかなり苦しみました。でもその時に資格スクエアの口述模試でのアドバイスを思い出したんです。「諦めずにあの手この手で捻り出せ」という、言わば足掻き方のノウハウです。おかげさまで、本番中、全力を出した先にしか到達できない解答が出せたと思います。
そうですね。「終わったな」とホッとして、東京タワーに登って帰ってきました(笑)。
新型コロナの影響で外出しにくいため、運動不足になるだろうと最初から思っていました。そこで、休みの日はウォーキングやジョギングで気分転換をしていたんです。
この時、BGM代わりに資格スクエアの講義を聴いていました。「重要なキーワードが出てきたな」と思ったら、歩きながら声を出して復唱しました。まず青本講座をよく聴いていましたが、「かなり習得できたな」と思ったら、今度は論文の解き方と実践を重点的に聴いてました。
「計画を立てること」を重視しました。
まず「何月までにこれを終わらせる」と大まかな予定を決め、「今週1週間でするべきことはこれ」と、時間単位で細かく計画を立てていきます。マンスリーでスケジュール管理できる手帳を使い、「ここは基礎講座を観る」「論文講座を観る」というように塗りつぶしていました。
そうしておけば、あとは特にモチベーションを意識することなく継続できます。逆算して導き出したタスクを、何も考えずにこなすだけです。
あと、これはちょっとした余談なんですが、今年度の合格発表で一部誤りがあったんです。私は間違えられた約20名のうちの一人でして、論文式試験の合格発表では愕然としました。その後PDF版を見ると自分の番号が記載されていたため、特許庁に電話をしてようやく合格が分かったという次第です。
「試験の運営側でさえこんなミスをするんだ・・・」ということで、肩の力が抜けました。それでちょっと頑張れたかなという側面もあります。試験本番で足掻くのは当然ですが、こういうところも諦めずに確認した方がいいですよ。
現在メーカー知財部に所属しています。研究開発の経験もあり、自分自身が発明者として特許に関わったこともあり、しかも弁理士資格も持っている。今の時点でできることは極められたと思います。
今後は、研究開発側の気持ちも分かり、法律的な物の見方もできるという、言わば二刀流の力を発揮して、「常に当事者感覚を大切にした弁理士でありたい」という気持ちがあります。
口述試験のところでお話しましたが、最後まで足掻いた人が勝つと思います。諦めずに、どうにかこうにか「一点でもいいから!」と取りにいく。そんな気概が合格の鍵になるのではないでしょうか。