S.F 様
28歳
メーカー事業部勤務
2回
基礎・短答・論文パック、論文添削ゼミ
2回で受かりたいと考えて受験したので、「ホッとした」というのが正直な気持ちです。
きっかけは入社当時の研修です。私の勤めている会社は新人の時、本来の所属と関係のない部署で1ヶ月半程実務を経験します。その時に知財部に行ったことで、知財に関心を寄せ始めました。
当時会社で「知的財産管理技能検定Ⓡ3級を受けてね」と勧められ、3級を取得しました。研修が終わった後も2級を自発的に受験し、2級が受かった後は「せっかくだから1級までやってみよう」と思ったんです。勉強すればするほど面白くなっていき、1級合格時には知財に対する興味がかなり高まっていました。その流れで弁理士試験の受験を決めた次第です。
「知財が好きなので目に見える形で何かを残したいな」という気持ちが強かったです。
いいえ、完全に文系です。大学時代は法律の学習をしたことも、六法全書を開いたこともありませんでした。
そこで弁理士試験を受けるにあたって、応用情報技術者の試験に合格することで、選択科目の免除を目指しました。
新しい技術に触れて、それを権利化していくのが新鮮でした。
一番面白いと感じたのは、「権利を作る」というところです。法律も最近はリスクヘッジ的な側面だけでなく、積極的な側面も増えてはきていると思います。ただ知財は、法律関連の中でも特に権利を獲得していこうというアクティブな面が強く、クリエイティブな要素もあります。そこに魅力を感じます。
↑特許法第一条。法目的として権利保護だけではなく
それによる発明の奨励・産業発達への寄与まで明記されており
アクティブ・クリエイティブな面を想起させます
まずネットで検索して、複数の予備校を比較しました。
自分は業務の一環として弁理士試験を受けるわけではないので、予備校に通うために仕事をセーブすることはできません。大手予備校を検討した時は通学型が主流という雰囲気があり、「決まった曜日の通学」が現実的ではないと感じました。
中には受講価格が手頃なオンライン型の予備校もありましたが、弁理士試験初学者の自分にとっての「分かりやすさ」を基準に考えると「今一つかな?」と感じました。
資格スクエアはオンラインに特化している上、一番コストパフォーマンスが良さそうだと思って選びました。
講座を受け始めると、「オンラインに一日の長がある」という点がよく分かりました。通信で勉強したい人にとって、とても学習しやすい環境が用意されています。講義は聴きやすく、教材も使いやすいです。WEB問題集も役立ちました。
あとは、思ったよりも手厚いサポートを受けられたのが嬉しい驚きでした。
始める前は「通学型ではないし、全て自分主体でやっていくんだろうな」というイメージがありましたが、実際には何人かで参加できるスタイルのフォローアップがありました。
↑月1回、イベント形式で学習上の疑問・悩みを解決していく、フォローアップ
また論文ゼミも全3回(※)ありましたが、とても丁寧に添削してくださったこともあり、オンラインの不自由さは感じませんでした。
そんなわけで、「一人でも問題なく進められるな」という安心感の中で学習を進めることができました。
※冬期、春期、直前ファイナル(短答明け)と、オプションでの論文添削機会を3回設けております。
2020年12月から学習を始め、21年7月の短答式試験に合格しました。この年は時間に余裕がなかったため「短答狙い」で取り組んでいました。そして、22年に論文式試験と口述試験に受かり、最終合格を果たした流れです。
20年12月の受講開始時は、私事ですが運転免許の取得に重きを置いていたため、折々で講座を聴くようなスタートでした。そして翌年2月末に一区切りついたところで、本格的に弁理士試験の学習に取り掛かりました。3月いっぱいで基礎講座を受講し、その後は短答対策講座で過去問を順番に解いていきました。
過去問については、学習内容が深く配点も高い特実意商にフォーカスしました。これらは机に向かって紙の問題に取り組みました。
一方、条約と著作権はほぼ外出中に解いていました。テキストをバラせるようになっているので、「今日はこれをやろう」と思ったら、その数枚を持ち運んで仕事終わりに外で解くといった感じです。
学習も条約と著作権についてはWEB問題集の一問一答がメインでした。例えば電車の移動中に取り組みましたが、WEB問題集だと立ちながらでもやりやすいので重宝しました。お昼を食べてる時にも解いていて、できなかったところをスクショで撮りました。
四法対照を使うのがベストだとは思いましたが、私は小さなサイズの法文集を使っていました。PATECH企画の「知的財産権基本法文集」というものです。
個人的に何でも、持ち歩きやすい小さいタイプが好きなんです。この法文集には、多少書き込みをしたり線を引いたりしました。過去問に登場した回数もカウントして記載していました。
菊池先生の講義を最初に聴いたのは資格スクエアに申し込む前の「無料講義体験」でした。その時から私の耳に入りやすいと感じ、「声がいいな」と思っていました。
聞きやすい上に適度に抑揚がついていてインパクトがあり、菊池先生の説明はスッと頭に入ります。あと最初にちょっとした雑談や実例を挙げた説明が入るのも、飽きずに聞けていいなと思いました。
↑無料講義体験でも視聴可能な
基礎講座ガイダンスの「牛通行止め」の話は、基本的な法的思考法を端的に教えてくれる一例
基礎講座のテキストは、「最初から最後まで全部ちゃんと読んだか」と言われると、そんなこともありません。講義で先生の解説を観てメモを取り、それを基に勉強する形です。
ノートをまとめるのがあまり得意ではないので、小さめのルーズリーフを使い、各項目を端的にまとめていました。そしてメモを起点とし、分からない部分についてテキストを参照して進めていきました。
短答は比較的すぐに解答速報が出るので、「疲れたな」くらいの記憶です。合格が分かった時は、「二ヶ年計画の一年目が無事達成できて良かった」と思いました。
はい。まず論文のボールペンを買いに行くところから始めました。「論文式試験ではボールペンを使う」ということも初めて知ったんです(笑)。
林先生への相談機会があったので、論文の作法について質問させていただきました。「試験当日は法文集が貸与されるんですか?」という本当に基本的なことや、「論文はどういう順番で解いたらいいですか」といった触りの部分を教えていただき、「論文がどういうものか」を把握できました。
一年目は、論文の講座は初見なので「限られた時間の中で何から観たら良いか」についてもアドバイスをもらいました。さすがに過去問に取り掛かる余裕はありませんでした。
せっかく論文式試験を受ける権利を得たからには、「試験中に時間を持て余さないくらいにはできたらいいな」と思っていました。
実際に受けた結果としては、特許はいい線までいきましたが、意匠、商標は全く点が足りませんでした。ただ、試験中に全力で解いて、何とか書き切れるところまではいけました。
その後、論文式試験の結果が出るまでは一休みしました。そして「口述がどんなものか」を知るために薄い過去問集を買って1周しました。ただ、受かるとは思っていなかったので気楽にやって、友達とも遊ぶといった感じでした。
結果が出てからは、12月初旬から翌年の勉強計画について考えました。
そして、全く聴いてなかった青本講座や論文実践講座も聴き始めました。また、前回かなりのスピードで回した書き方講座・解き方講座の復習をしました。講座を聴いて問題を解く形で、2月いっぱいじっくり進めていきました。2月からは冬期論文添削ゼミが始まったので、そこからはゼミと平行して取り組みました。
他社の参考書を使うことはしませんでした。本当に林先生の論文講座と論文添削ゼミに専念した形です。
紙でちゃんと読みました。紙の方が目に優しいし、線が引けるのでやりやすかったです。
ただ、青本を最初から最後までしっかり読もうということはありませんでした。
例えば論文の講座やゼミに出てきた条文で気になったところや、論文に書くべき事項等を青本に立ち返り確認するという感じです。
林先生の青本講座は、一通り受けました。
「やりきった」というのが正直なところです。「時間いっぱいまで集中して書いたな」「字数は前年度に比べて格段に進歩したな」と思いました。
ただ、短答・論文・口述の中で一番結果が分からなかったのが論文でした。蓋を開けてみれば、思ったよりも良い点数がついていてホッとしました。口述試験の本番より、論文式試験の結果を見る時の方がドキドキしたくらいです。
まず、それまで生の菊池先生と林先生にお会いしたことがなかったので、単純に楽しみにしていた部分があります。
いくつかの模試を受けましたが、資格スクエアの場合はその場で細かくアドバイスをいただける点が良かったです。
特実、意匠、商標の3つとも全て時間内に終わって雑談タイムになりました。また、試験官の人にお褒めの言葉をもらった場面もあったので、「これは大丈夫だろうな」という感触でした。
短答対策時は週20時間ほどです。論文対策時は時期によってバラつきはありますが、平均すると週20時間程度で、6月以降はもう少し増やしました。
長時間まとめて勉強できるタイプではないため、直前期の土日でも、1日の上限は多い時で7時間くらいです。それ以上はちょっと頭が回りませんでした。なので、5月頃で週25時間ほどだったと思います。
直前こそ根を詰めましたが、2~3月頃は本当に週13~15時間程度の学習でした。
二ヶ年計画でやってはいますが、遊ぶ時は遊び、好きなこともして、直前に近づくにつれて集中していきました。そんなわけで、弁理士試験のために無理をしたとか、やりたいことを制限したとか、仕事との兼ね合いがとても大変だとか、そういうことはあまりありませんでした。
意識していたのは切り替えです。仕事が疲れた日でも、逆に楽しいことがあった日でも変わりなく「電車に乗ったらパッと一問一答を始める」「机に向かったらすぐ論文を書く」といった感じです。
そういう切り替えで、「この日だけ何時間もやる」というのではなく、日々知財に触れる機会を増やすイメージでやってました。
そうですね。試験前は、横断歩道での信号待ちの時など、気づいたら頭の中に判例の文言が流れていました。
例えるなら、ぼんやりしてる時に好きな曲やハマっている曲が頭の中に流れてくるような感じです。
勉強のためにまとまった時間が取れない中で意識していたのは、「単純に情報に接触する時間を増やそう」という点でした。
そこで持ち歩きやすいコンパクトなグッズを活用するようにしていました。例えば友達と遊びに行く時、さすがに重たい四法対照を鞄に入れようとは思いません。そんな時に役立ったのは先ほどお話した小さめの法文集やコンパクトなルーズリーフです。
↑S.F様のルーズリーフの記載例
他の例はフォトギャラリーを参照ください
ルーズリーフは10cm×17cmくらいのもので、ここに自分の気になったトピックを一つだけ書きます。例えば「均等論について整理したいな」と思えば、そのルーズリーフに収まるように均等論についてまとめます。
このメモ的なまとめルーズリーフは気づけばかなりの量になっていましたが、その時々で気になるものを持ち歩いたり、頭に入れたいものを壁に貼ったりという使い方をしていました。
あとはスマホアプリのメモですね。なかなか覚えられないところを書いて、それをちょっとしたスキマ時間に見ていました。例えば口述対策の時なら、まず「頒布とは」と書き、その下に「刊行物が不特定多数の者が見得る状態に置かれること」と書く形です。
そういったものを電車のちょっとした待ち時間やエレベーターの中で見ているうちに、気づいたら頭に入っていました。小さめの法文集やコンパクトなルーズリーフ、スマホアプリ等を使い、接触機会を増やすのは有効だと思います。
試験に合格し、現在実務修習を受けているところなので、「ようやく知財の道のスタートラインに立てたかな」と思っています。
「知財が好き」という気持ちから始めた受験だったため、具体的なキャリアチェンジはまだ思案の途中という感じです。ただ何らかの形で知財に関わり、資格を役立てていきたいという希望はあります。
弁理士試験の受験者は、理系だったり、特許事務所に既にお勤めだったり、知財部にいらっしゃったり、そういう方が多いと思います。私は弁理士試験の勉強を開始した頃、このことに全く気づきませんでした。
令和4年度の合格者統計を見ると、理工系でも法文系でもない人は全体の8%程度と少数で、もちろん男性より女性の方が少ないですし、学卒も決して多くはありません。こうした受験者のカテゴリー分けは、短答式試験後に知りました。自分は全てにおいて少数派に属していると気づいて大変驚いたのを覚えています。
弁理士を目指す上で「自分のような経歴の人があんまりいないから」といったところを考え過ぎる必要はないと思います。「受けたい」という思いがあるのなら、情報に惑わされず自分の気持ちを大切にするとよいのではないでしょうか。
勉強は最初が一番大変で、やっていくうちにどんどん楽しくなっていくという性質のものですから、まずは一歩踏み出してみることをお勧めします。
↑ルーズリーフの記載例① 建築物の意匠と、均等論の検討
↑ルーズリーフの記載例②
↑学習管理においては、日々やることのほか、学習時間なども記録