林 海藍 様
20代後半
メーカー非知財部勤務
1回
基礎・短答・論文パック、論文添削ゼミ
一つのことを成し遂げたという大きな達成感があり、自信もつきました。
祝賀会など様々なイベントを通して人脈が一気に広がるという嬉しい展開もあり、挑戦してよかったなと思います。
弁理士は知的財産の分野で活躍する理系の仕事の一つだと、学生時代から知っていました。ただその頃は、「絶対知財に行きたい」と強く思っていたわけではないんです。
所属していた研究室は、「卒業したらメーカーに就職する」という流れがあったので、自分もメーカーに行くことにしました。そんな中で「いつか知財部に行けたらいいな」という気持ちをふわっと持っていました。
ただ実際に就職してみると、「会社の名前で働くよりも、自分の名前で仕事をしたい」「組織に左右されず、自分の力で稼げるスキルを身につけたい」という思いが高まっていったんです。
そこで、「弁理士はどうだろう?」と一気に興味が増し、弁理士試験に挑戦する流れになりました。それが2022年の夏のことです。
はい、理系です。私は色々なことに興味を持つタイプで、大学時代は応用数理学科で学び、大学院では材料系を専攻し、修士論文ではAIを取り上げました。
そのため選択論文は「情報」で免除となりました。
コストパフォーマンスの良さが魅力でした。他の予備校に比べて、価格設定が手頃ですよね。当時はまだ「ちょっと挑戦してみようかな」くらいの熱量だったので、思い切って高い講座に手を出す気にはならなかったんです。
それから、転職エージェントに「いつか弁理士になりたいと思っているけれど、これからどんな風に過ごすべきでしょう」と相談したところ、担当者の方に資格スクエアを勧められたんです。「とてもコストパフォーマンスが良くていいですよ」と。
はい。2022年の7月に学習を開始して、23年度の弁理士試験で短答、論文、口述を突破して、最終合格しました。
あまり綿密な計画はないんですが、、、まずは2022年の7月に入門講座と基礎講座から視聴を始めて、これを9月頃に観終わりました。その後は青本講座と論文講座の講義動画を少しだけ観る形で、この頃はまだ何度も問題を繰り返し解くということはしていませんでした。
実は学習スタートしたものの、23年の1~3月にかけては転職活動や引っ越しなどがあって、なかなか腰を据えて勉強しづらい状況だったんです。
論文添削ゼミは受けましたが、この頃は林先生に添削していただいた答案を見返して復習するところまでは到達できず。
実際のところ問題演習に集中して取り組んだのは、短答が23年の4~5月、論文が6月からという感じです。
隙あらば勉強するという形だったので、時間を算出するのは難しいですね。
まとまって勉強する時間は、会社から帰宅して寝落ちするまで。あとはスキマ時間を活用しました。直前期は生活の全てを試験対策に注いだと言っても過言ではないです。
短答講義に関しては、22年の10月から配信開始のタイミングに合わせて順次受講していきました。講義を受け、その回の対象の問題に取り組み、解説の動画を観る、の繰り返しです。
しかし、その後23年の年明けから3ヶ月ほどは多忙で、毎週の講義更新に追いつかなくなってしまいました。3月の時点で、何とか特許法、著作権、不正競争防止法、条約を1周しましたが、復習まではできておらず。意匠法、商標法については完全に4月から始めました。
そんな中で効いたのは、WEB短答演習の反復です。
スマホを使ってひたすらポチポチ頑張ったこの時期に、一気に実力がついた気がします。今は「短答攻略クエスト」というアプリがあるんですよね?大変だとは思いますが、結局はこれを地道に進めるのが一番だと思います。
↑20年以上の肢別過去問をスキマ時間で解ける、スマホアプリ「弁理士短答攻略クエスト」
そうですね。
もう一つ、問題を解く時に必要以上に悩まないことが大事なのかなと思います。
時間がなかったので、自分は問題を解く時もあまり悩まず進めていきました。何分も考えず、分からない時はすぐに答えを確認しました。
無駄に長い時間を費やすと考えると、集中力やモチベーションが落ちてしまいます。そういう意味では、「一問に何分かけるか」をあらかじめ決めておくといいかもしれません。
もちろん問題によっては、事例が複雑な場合もあるので、そういう時はじっくり考えてもいいと思うのですが、、、例えば、知識が入っていればすぐ分かるような問題であれば、本当に5秒以内に解けるくらいの気持ちでやる。それが自分にとっては集中も続くし、気持ち良くたくさん解けるカギだったなと思います。
最初は条文を何度も引きました。問題を見てもどの条文が根拠になっているのかが分からないとか、条文の文言が出てこない時には、繰り返し読んで確認しました。
そして「この枝の論点は何条の何々の部分のことだな」と、思い浮かぶようになってからは引かなくなりました。
しかし最初はやはり時間がかかりましたね。問題を解く、そして条文を引くところで。
やり込んでから見る、、、そうなんですね!
私の場合は、一度一つのテーマで根拠を見ておけば、後の似たような枝はすぐに捌けるようになった感じです。
46点獲得しました。内訳は特許法13、意匠法9、商標がちょっと低くて6、条約が10、著作権不正競争防止法が8です。
論文に関しても時間がなかったので、基本的には短答のやり方と同じです。
まず22年の12月までに論文講座(書き方・解き方・実践)を一通り受講しましたが、この時点では答案構成を一回もやっていませんでした。
そして23年の6月は論文講座の解き方講座と実践講座のテキスト2冊を猛烈に繰り返しました。
問題を見て論点が分からなければ、すぐ答えを見るやり方は変わりません。「テキストに出てくる問題くらいはスムーズに解けなければ本番で対応できない」と思い、ひたすら問題を回し続け定着を図りました。
あと、私はほとんど全文書きをしていないんです。林先生の論文添削ゼミと、1回だけ受けた他校の論文ゼミ、全文書いた経験はそれだけです。
「全文書きをしていたらもう時間が足りない!」と思って、とりあえず論点を紙に書き出し答案構成をして、その紙を見ながら頭の中で全文を唱えていました。そしてその後、答えと見比べるようなやり方でした。
実は他校の論文模試を受けた時に、全く時間が足りなくてびっくりしたんです。特に特許法の2時間がとても短く感じました。
この時にタイムマネジメントのシビアさを認識して、スピードアップのために「テキストの問題は即答できるようにする」など試行錯誤しました。
その結果、本番ではしっかり時間内に書けるようになりました。「時間が足りない!」という経験が、本番に活かされたと思います。
終わった直後は、「絶対受かったな」と思いました。
ところがネットの情報や周りの人たちに言わせると、「受かったと思っているやつは落ちる」ということらしいんですよ。つまり「自分が書けていないことが分かっていないから、受かったと思い込んでしまうんだ」と。「それなら私は落ちているのかな?」とも思いましたが、結果的には手応え通り、受かっていました。
いえいえ。意匠法、商標法の方はなかなかの出来でしたが、実は特許法に不安要素があったんです。「特許で足切りにさえならなければ受かるな」という手応えだったんですよ。
実際の点数開示では、特許110点、意匠64点、商標70点でした。確かに特許は点数が低く意匠商標で稼いだという感じだったので、感触通りの結果でした。
論文試験が終わった翌日くらいに、口述対策用の問題集を買いました。それでちょっとは見たのですが、燃え尽きてしまって、、、
「まぁそうは言っても合格発表の後からでも間に合うよ」という勤務先の事務所の方からの言葉もあり。暇な時にちょっとは見るけれど、論文の合格発表までは、試験直前のように繰り返し見るようなことはできなかったですね。
はい。短答、論文と続いた4~6月は「もう死ぬんじゃないか」というくらい勉強したので、「さすがにもうこれ以上は無理」となりました。
「ようやくまともに寝られるようになったし」「明日からやろう」という気持ちで、ちょっとすぐには切り替えられなかったですね。
資格スクエアの口述模試と、あとは会派の口述練習会に行きました。合計4回。週に一回のペースで受けていた形です。
購入した口述対策問題集がメインです。あとは口述練習会に行った時にいただいた問題集ですね。練習会で答えられなかった部分を復習しました。
私は二日目でしたが、一日目に特殊な問題が出たとSNSで話題になっていました。でも、これまで短答、論文と順調に進んできたし「まぁ、いけるでしょ」という気持ちでした。
実際、二日目はスタンダードな問題が出題され、順当に時間内で終えることができました。
はい。ようやく気持ちが晴れました。
実は弁理士の勉強をするうちに、理系出身で活躍されている弁護士の方もたくさんいらっしゃると知り、自分も挑戦したいと思いました。
そして、その時はもう「次は予備試験を受けたい」という気持ちになり、最終合格発表の翌日には、資格スクエアの予備試験講座に申込んでいました(笑)。
WEB短答演習をよく使いましたが、〇✕だけでなく、ちょっと自信がない時に選ぶ選択肢があるんですね。そのため、まぐれで当ててしまったようなところもちゃんとまた次の周で補強できる。そこが良かったです。
また、解説部分が非常に端的で分かりやすかったです。申し訳ないのですが、途中からは「もう時間ない」となって、短答対策講座の講義を観られなかったんです。にもかかわらず、菊池先生のWEB短答演習の解説があれば対応できるくらいに完璧でした。
まず菊池先生の基礎講座ですが、あれさえ理解すれば十分試験に対応できるという内容でした。逆にちょっと情報量が多すぎて、人によっては難しいかもしれません。
ただ自分の場合は、多少分からないところがあっても、「まあ後で分かればいいや」と流していました。だから詰まることがなかったのかなと思います。
林先生の論文対策講座に関しては、問題を解く時に、書き漏れがないような型を提示してくれるのが良かったです。論点挙げ、項目挙げの部分ですね。漏れがないようにするための方法を授業の中で、しっかり解説してくれました。
拒絶理由や侵害訴訟で、まず何を考えなければいけないかというポイントなど。林先生の要点を絞った授業のおかげで、本当に抜け漏れなく綺麗に書けるようになりました。
「これ以外のことを考えなくていい」という、無駄がなく薄さもない、本当に林先生が提示してくれた範囲で書けば合格できるんだという安心感がありました。受かるための最短距離を教えてくれる授業でしたね。
↑論文対策講座は無駄のないステップだけでなく、
内容面でも「これさえやれば合格できる」隙のなさがポイント
(イラストは林講師作)
現在、弁護士を目指して勉強中ですが、合格できれば弁理士と弁護士のダブルライセンスで仕事ができます。その時は、知財分野に強い弁護士として活躍できたらと思っています。
なお予備試験の学習は始まったばかりですが、弁理士の勉強で少しかじった民法の全体を学べるので、一層深く民法を理解できているように感じます。
将来は専門知識を武器に、クライアントのプラスになるアウトプットをしていきたいと思います。
自分が合格できた要因は、「早く受かろうと決めた」ことがとても大きいと思っています。
早く回すことで、膨大な量の知識を効率よく定着させることができたと感じます。私にとっては時間をかけて学ぶ方が難しいことでした。
個人的には「いつか受かるだろう」と漫然と長期間取り組むよりも、覚悟を決めての短期決戦学習をお勧めしたいです。