久米 裕二 様
34歳
専門商社勤務
3回
基礎・短答・論文パック、論文添削ゼミ
嬉しいというよりも、ほっとした気持ちの方が強いです。
最終合格の日も、受験番号を見てとりわけはしゃいだ記憶もありません。もちろん短答式試験、論文式試験の合格は嬉しかったですが、最後は「やっと終わったな」という感じです。
弁理士という職業については大学生の頃から知っていました。ただ元々「弁理士になりたい」と思って勉強を始めたわけではないんです。
前の職場では残業がほとんどなかったため、帰宅してから自由に使える時間がかなりありました。そこで自己研鑽の意味で、「何か勉強を始めよう」と思ったのが最初のきっかけです。
自分のバックグラウンドに一番近く、これまでの経験を活かせそうな内容で、さらに難しいものをと考えて、最終的に弁理士資格を取ろうと決めました。
はい。有機化学の分野を研究していたため、選択論文は免除でした。
全くありません。法律にも馴染みがなく、弁理士の勉強を始めたのが業界へのファーストコンタクトでした。周りには弁理士も、弁理士志望者もいませんでした。
そうですね。菊池先生と林先生がおっしゃることを信じて一人で学習しました。
ただ受験界隈の情報を知るために、Twitter(現X)のアカウントを作り、そこでリサーチしていました。
はい。実際にお会いした方は少ないですが、試験が終わった後に集まったこともありました。その中には、今年同期として合格した方もいます。
私は自習室を使って学習していましたが、そこで別の資格(司法試験予備試験)の勉強をする友人と知り合う機会もありました。
自習室に通うのが毎日のルーティンでした。
自宅で学習するのが経済的にも理想的ではありますが、私自身が家では全く集中できないタイプなんです。
そこで、仕事が終わったら契約している自習室に直行しました。自習室で目いっぱい勉強をして、家に帰ったらあとはほぼ寝るだけという形です。 場所を変えることで、気分を切り替え学習に集中できるようにしていました。
2020年の1月に学習を開始して、2021年の短答式試験は逃し、2022年に合格。この年は論文式試験を受けましたが不合格でした。そして2023年の3回目の受験で論文式試験を突破し、口述試験も受かって最終合格となった流れです。
最初の一年(2020年)はベースを作ろうと思い、基礎講座と短答の授業を受けました。学習を始めた当初はまだ試験の実感もなく、なかなか本腰を入れられませんでした。週平均で20時間もいっていないと思います。
最初はやはり何回聴いても分からないですし、何回読んでも分かりません。それで嫌になってしまい、途中全然勉強しなかったこともありました。
「年明けは短答に絞って勉強した方がいい」と林先生がおっしゃっていたので、2021年の年末が近づき「そろそろ本気でやらなくては」と思いました。
今振り返ると、その時点での基礎固めは短答全体の5割か6割。うっすら外枠が見えてきたというくらいで、広く浅くという感じです。まだ基礎が盤石になったとまではいきませんでした。
そして2022年の年明けからは過去問も回していき、思いきり勉強するようになりました。この頃の週の学習時間は35~40時間です。
基本的に勉強は退社後に自習室で集中してやりました。
それ以外は通勤時に条文を読んだり、頭が冴えない時は自分の声で録音した音声を聴いたりということを、毎日繰り返していました。
短答から論文まで通して考えても、一番力を入れたのは条文の読み込みです。
そうですね。「短答に絶対受かるんだ」と思っていた年は、ずっと四法対照を読んでいました。
過去問を回し始めた頃は「条文を読んでもさっぱり…」という状態でした。それが過去問をある程度解いて数ヶ月ほど経つと、条文についても徐々に理解できるようになっていきました。本番の2、3ヶ月ほど前からは条文読み込みの比重が高くなり、直前の1ヶ月は条文メインの学習となりました。
はい、それもあってか、2022年は無事に短答式試験を突破できました。
2022年は短答式試験の突破を目標にしていたため、論文対策にほとんど手をつけておらず、正直なところ「この状態で受けてもなぁ」という感じでした。
ただ、林先生の「この1ヶ月は本当によく伸びるのでぜひ頑張ってほしい」という言葉を聞いて「よし」と奮起したんです。
林先生の論文の授業をまだほとんど受けていなかったので、まずはそれを観ました。この年の6月はこれまでの人生で一番勉強しました。目を開けている時間は、何かしら論文対策をしていたと思います。
結果としては不合格でしたが、53点まで持っていけました。
試験本番までに書けるようになることを想定し、何をするべきかを逆算しました。最初に林先生の答案を丸写しして「こういう感じで書くんだな」と感覚的に覚える作業が1週間ほど。ここで、書く量や順番、構成などをざっくりと把握しました。
実は、同じ自習室で予備試験の勉強をしていた友人から「もう写すのは終わりにしては?」という助言があり、そこから計画を見直して、以降は自分の言葉で論文を書くようになったんです。絶妙なタイミングで絶妙なアドバイスを貰えたなと感謝しています。
一ヶ月の詰め込みでしたが、それでも大分答案が書けるようになりました。
試験前に論文書き方・解き方講座の受講を終えましたが、実践講座までは吸収できませんでした。構成を作るところまでは何度か授業を観ましたが、答案の再現は一切したことがなかったんです。
試験の難しさというのは問題内容の難解さだけではないんですね。時間内に書き切るというタイムマネジメントなど、アウトプット部分が今後の課題だと感じました。
とはいえ、この年の論文で53点獲得できたことで、次の一年が少し楽になったのは間違いありません。
条文に加え、判例と青本の頻出部分を、できるだけインプットするように意識しました。
方法としては、条文集に頻出部分を書き込みました。そうするとかなり小さな文字になりますが、条文集は毎日開くので「それを見れば全てわかる」という形で一元化したかったんです。
また、模試や答練で知らないものが出てきたら追加していき、そこにどんどんプールしていきました。林先生が「論文の対策で自分ノートを作ってください」とおっしゃっていましたが、私の場合は最終的に条文集が自分ノートになったという形ですね。
変わったと思います。短答の時は隅から隅まで穴が開くくらい読んでいました。主体が誰か、効果がどうか、というところはかなり細かく見たように思います。
一方、論文対策時には比較的ざっくりとした読み方になりました。論文の場合は、条文を熟読するよりも組み合わせて読む場面が多くなります。例えば「この条文の効果で、こういう条件の時はどうなるのかな」と思った時に、その当てはまる条文に飛んで効果を確認し、「組み合わせたらこうなる」といった形で、考えながら読む機会がとても増えました。
2022年の論文式試験が終わってから年末まではあまり本格的な勉強をしませんでした。年を越したあたりから徐々にエンジンをかけていった感じです。
論文問題は短答に比べ、一問解くのに時間がかかります。進めるペースとしては一日に良くて過去問一年分、仕事が忙しい時期などは2~3問が精一杯というところでした。
年明けから本番までの週の勉強時間は30〜40時間です。短答合格後に初めて論文を学習した、あの全力集中の一ヶ月を超える勉強量まではいかなかったと思います。
短答対策中と同様、基本的には自習室で集中し、あとはスキマ時間に条文を読んだり聴いたりという形です。
論文のオンライン授業は2022年に受講し終わっていたので、2023年に関してはインプットよりアウトプットに力を入れました。
答案は直前期を除けば、全文書きしていました。具体的な勉強の流れとしては、問題を解いた後に解答を見て、自分の解答と林先生の解答を見比べました。そして「論点落ちしているな」という場所を赤でチェックして、自分の答案をどんどん赤くしていきました。 何周かして、やはり同じところをミスしている場合は、条文集に「ここは要注意」というようにメモしていましたね。
通しでの感想になりますが、口述試験以外は全部「受かった」とは思わなかったです。
論文に関しては「五分五分かな」というところまでは持っていけますが、「他の受験生の書きぶり次第だなあ」というところがあります。その点でやはりモヤモヤするので、「絶対受かった」という確証はもてませんでした。
全くしてなかったですね(笑)。
一年目の時は「受かったら儲けもの」という気楽さがありました。それが二年目になると、「もしも落ちていたら…」という考えが頭から離れず、なかなか条文集を開くような心持ちになりませんでした。それで少し勉強から離れてしまった、というのが正直なところです。
はい。基本的には口述の過去問をひたすら繰り返し解きました。
そして、資格スクエア、他校、会派など、4回ほど模試を受けて練習しました。
気分爽快でした。3問とも最後まで、ベルが鳴る前に回答が終わり、「これはもう受かっているだろう」という初めての感覚がありました。
口述に関しては、どういったタイプの試験官に当たるかも大きいですね。好意的にパスをしてくれる方かどうか。私は特許も意匠も誘導が非常に上手な優しい方に恵まれ、運が良かったと思います。
資格スクエアの講師の質の良さは、受講前から周囲の意見でよく耳にしました。全ての学習を終えた今「初学者にもおすすめできる」とあらためて感じます。
まず前提として、授業の内容が良いです。
教材の満足度も高いですね。基礎講座はかなり細かいところまでテキストで解説されています。論文対策講座の資料も丸々使わせてもらいました。
そして授業内容以外の部分で言うと、林先生と菊池先生の組み合わせによる、優しさと厳しさの配分が絶妙です。例えば「今できなくても悪いことではない」という林先生の優しさと、「いつまでもそんなことを言ってたら一生受からないよ」という菊池先生の厳しさが、アメとムチのように響きました。そこが非常に良かったですね。
↑菊池講師・林講師という
指導方針を同じくしながらキャラクターの異なる2名の実力派講師から学べるのが
基礎・短答・論文パックの特長の一つ
今の特許事務所では外国語出願や訴訟系の仕事もあり、色々な方向性が考えられますが、最終的には上司のように審判や訴訟の部分をしっかり担えるようになりたいです。
その地固めとして、まずは出願手続きをしっかりできるように努力します。また、外国語の必要性も感じるので、語学もやりたいですね。将来のためにどちらの勉強も励みたいと思います。
弁理士試験は難しいです。ただ個人的には、地頭の良し悪しよりも、最後まで続けようという気持ちがあるかどうかが大きな分かれ目だと思います。
もちろん優秀な方もいらっしゃいますが、全員がそうではなく、私もそういう人間ではありません。「10やって、やっと5を得る」くらいの感覚でやってきました。
結局のところ、「やるか、やらないか」だと思うんです。だからぜひ、何とか最後まで諦めないでもらいたいです。最後というのは、試験前日ではなくて「試験やめ」と言われる直前まで。そこまで諦めないことが一番重要だと思います。