M.H 様
30代前半
メーカー技術営業
2回
基礎・短答・論文パック、論文対策パック
「やっと終わった」という気持ちです。同時に、将来のロードマップを考えると様々な考えが広がってきて「これからが大変だな」と身が引き締まる思いです。
前職の時に、ある知財コンサルタントの方の講演会が会社で開催されました。知財調査や戦略といった内容でしたが、まずそれで知財という世界に大変興味を持ったんです。
私は研究部門に所属していたので調査をする機会が多かったのですが、そんな時クレームに関わっても「今ひとつ内容がわからない」「どう解釈していいのか」ということがしばしばありました。そこで、うまく対応するためにはどうしたらいいのかと考えました。
知的財産管理技能検定を2級まで取得するなど色々と学習しましたが、やはり本格的にこういったことに精通するには、法律を勉強しなければならない。それなら、弁理士資格なのではないかと思ったんです。最終的には知財の部門に異動することも考慮に入れ、勉強を開始した次第です。
はい。理系です。そのため選択論文は免除になりました。
ほぼいませんでした。現在も、会社の中で資格を持っているのは私だけという状況です。ただ一人、昔からの知り合いが弁理士資格を持っていたため、その方の話を聞いて勉強を進めることはありました。
最初は大手予備校も選択肢の一つでした。ただ通いやすさを考えるとなかなか難しく、知り合いの弁理士の方に相談してみたところ、資格スクエアを紹介されたんです。「通信型で教材が良い」「価格も比較的安めだよ」ということで、興味を持ちました。
他の通信型予備校も検討しましたが、実際受講したという人が周囲にいなかったのと、やはり「身近な人が太鼓判を押すような講座を受けたい」という気持ちがありました。 そして内容や価格を確認し「これなら始められる」と思ってスタートしました。
資料の要点が非常にまとまっているところです。例えば青本講座の資料を私が見ていると、知り合った受験生などから、「そんないいもの、どこかで売ってるのか」というような形で、すごく羨ましがられることがありました。
↑合格者から人気の高い青本講座テキスト
現在は天ノリ(ビリっとページ分割できる)仕様の製本テキストとなり、利便性が更に向上
基礎講座のテキストに関しては、「こういう内容だったな」といまだに確認のため開くことがあります。内容が濃く、しっかりまとめられているので使いやすいです。
また資料がダウンロードできるのもいいですね。仕事柄出張が多いのですが、本などの紙媒体だけだと、出先で見たいと思った時に重くて大変なんです。忙しい中で時間を確保して復習しやすいというのは、大きなメリットだなと思っています。
それから、動画で理解できなかったところがあった時は、講義画面から質問できる「ワンクリック質問」も便利です。「みんなの質問」という、他の受講生が過去にした質問を見られる機能もありますが、不明点が既に解決されている場合、それを参照すれば済むのも良かったですね。
↑「ワンクリック質問」「みんなの質問」は、オンライン学習の質を格段にアップさせる便利機能
2021年の1月に学習を開始して、22年に短答式試験に合格。この年の論文式試験はギリギリのところで逃しました。そしてさらに一年学習を重ね23年に論文式試験を突破し、口述試験も受かって最終合格という流れです。
最初の一年間はほとんど基礎講座だけだったと記憶しています。基礎講座と青本講座をメインで観て、とにかく一通りの流れを掴もうとしました。
基礎講座のボリュームが予想以上で、しかも「基礎とはいえ、やはりレベルが高いな」というところもあって。最初に聴いただけでは分からないところばかりだったので、じっくり時間をかけて理解しようと思いました。
それで特許法、商標法、意匠法という、それぞれの科目の流れをある程度把握してから、22年に短答対策講座の視聴を開始しました。
まず基礎固めの一年間は、21年の年頭から基礎講座と青本講座を視聴し、後半からは短答の問題を解き始めました。解答時は「どうして〇なのか」「✕なのか」という、根拠をしっかり出せるかを意識しました。
そして、明らかに間違った理解をしている部分は、条文に戻り、その内容をメモするという学習を繰り返していましたね。
基礎固めをしながら過去問を解き、1周したのが22年の年明けだったかと思います。
2周目に入ってからは、前回間違えたところを重点的にあたりました。何度も解く中で〇✕を覚えてしまっている場合があるので、単に過去問を解くだけでなく、それぞれの選択肢が「何条何項の話をしていて」「どこが条文ベースで間違えているのか」といったところを細かくチェックする方向にシフトしていった感じです。
「ここはまだあやふやだな」という条文を見つけたら、声に出して読むなど、なるべく記憶に定着するような方法を模索して進めました。
直前期になると、ほぼ問題を覚えてしまっている状態だったので、条文の読み込みが中心になっていきました。「ちゃんと条文を覚えているか」「細かい規則の抜け落ちはないか」と知識を埋めていった形です。例えばPCTであれば、PCTの条文のメイン部分はもちろん、規則のところも含めて印刷し、折に触れて見返すといった形で補完しました。
平日は1時間半から2時間、休日は3時間ほどでしょうか。
会社まで距離があったので通勤時間を学習に充てていましたが、本格的に過去問を解き始めた頃からは、往路だけでなく復路もやったり、昼休みも使ったりと、スキマ時間の活用を増やしました。
どうしても紙を広げられないような環境では、短答過去問のWEB教材を使って復習するなど、極力一日2時間以上は絶対に学習時間を取るようにしてました。
その頃になると、休みの日は少なくとも5時間はやっていたと思います。
はい。やや特殊かもしれませんが、著作権法、不正競争防止法が得意だったのでそこを得点源にして、できるだけ条約と意匠法で点を稼ぐというような方針でいきました。
短答式試験までは短答対策に全力投球していたため、終わってから論文対策講座を開始しました。
とにかく時間がなかったので、林先生の論文講座の書き方と解き方までを一気に視聴しました。そこで「どういう出題パターンがあるのか」「基本的な書き方はどういうものか」というところだけを、まずは詰め込んだという感じです。
あとは空いている時間に青本講座を何度も繰り返し視聴して、「青本に書かれている内容は何らか書けるようにしたい」と考えました。なので、正直なところ判例に関しては穴があったと思います。
↑M.H様の青本講座テキストの活用例
PDF版をプリント用紙1枚につき2ページ分印刷し、情報密度をアップ
書く練習に関しては、解き方講座の問題を一度とにかく書いてみて、解答と見比べ「ここが書けていない」というところを、何回も書き直す作業をしました。
実践講座については、ほとんど実際にやってみる時間はなかったので、ひたすら解答や重要判例の部分を書き、内容を頭に入れて本番に臨みました。
かなり惜しかった記憶がありますね。「時間との戦い」を実感しました。
ただ、書き方については「大きな間違いや全くの見当外れというのはなさそうだ」と確認できました。
あとは、本番当日どれだけ条文を探さずに書けるようになるか。かつ、判例の抜け落ちの補填ができるか。この2点の課題が自分の中で明確になりました。
添削機会をたくさん作ろうと意識しました。短答と違い、論文の自己採点は非常に難しいので、そこはかなり重視しましたね。
それから、実践講座には判例に関する事柄がかなり豊富に載っていたので、それを参考にしつつ自分で書いてみました。一部は実際の最高裁の判例を見て、判旨のところを重点的にチェックするなどして、できる限り正確な記載ができるよう心掛けていました。
ルーティンとして、朝起きて出社するまでの間に一つは書くようにしていました。
書く内容は時期によって変化しましたが、前半はトピックスを回す形でテキストの順番に「今日はここをやろう」と決めて進めました。後半になってくると「この話が出てきたらこういう形で書く」という自分なりのテンプレートが固まってきたので、そのテンプレートを重点的に押さえていきました。
そうですね。重要な条文に関しては、時間が許す限り規範定立型で書くようにしていました。
「条文も含めて書いた方が点数が乗りそうだな」というところはしっかりと書きました。
特に、2つ以上のものが出てくるようなもの。例を挙げると、優先権や分割系、あとは拡大先願の判断の話ですね。あの辺りになると、「条文を最初に書いてしまった方が、その後何を書くかという部分を忘れないし、間違えない」というのが、だんだん分かってきたんです。そんなわけで時間はタイトになっても書く方向で進めていました。
このやり方だと、「この規範のここに当てはめられているな」と確認ができるので、書きながら構成をチェックできるというメリットがありました。
「今年は受かったな」という感じでした。
特許法の段階で時間が余る状態までいけており、その他も同様に最後までしっかり書き切れたので。逆に「これでもし落ちていたら、根本的にやり方を見直さなければいけないな」と思ったくらいです。
論文が終わった直後から、仲間うちで「集まって口述対策しましょうか」という流れになりました。市販のテキストを使いお互いに問題を出し合って、和気あいあいとした雰囲気でやっていました。
資格スクエアの青本講座のテキストが当時ものすごく活躍していました。
最近の口述試験の傾向として、青本や条文に書かれている言葉をそのまま言わせるようなところがかなり徹底されていると、当時から聞いていました。そこで、「ならば青本を覚えてしまおう」と、青本講座のテキストを口述できるようにしていたんです。
↑口述対策でも使える、青本講座テキスト
資格スクエアのものをはじめ、複数回受けました。
大手予備校のものも受けましたが、かなり難易度が高く、マニアックな問題が出ることもありました。資格スクエアの口述模試の内容が、本番のレベルとしてはかなり近かったかなという印象です。
「受かったな」と思いました。特許で雑談まで入り、意匠も8分の鐘が鳴るあたりで終えることができたので「これは間違いなく大丈夫だろう」と。
終わった後は晴れやかな気分で、一緒に勉強した仲間と「ちょっと一杯ひっかけていきましょう」という流れになりました(笑)。
短答の勉強をしている時に「あるタイミングで急に根を詰めるのはキツイな」と感じたので、二年目の論文対策からは、毎日コツコツ学習を続けることを意識しました。
休日も学習一色にするのではなく、「ちょっと運動しに行く」といった形で心と体のどちらもケアしながら継続できるように過ごしていました。
条文チェックで趣旨を確認したい時には、iPhoneのアプリを活用しました。ずばり「六法」というアプリで、例えば特許法と青本を結び付けることができる機能を使いました。条文の番号を押すとその部分の逐条解説を見られるなど、使いやすかったです。
このアプリ、実は色付けやマーカー、メモなどもできるんです。四法対照にメモされる方が多いかと思いますが、私の場合は全部電子情報で管理していました。
↑M.H様が活用した条文アプリ
その名も「六法」
また青本も冊子で買おうとするとコストがかかりますが、このアプリはPDFデータが入れられるので助かります。施行規則や各種条文もダウンロードして見られるので、今もかなり重宝しています。例えば民法など、知的財産権以外の法律もこれで見ることができるので、今後も使っていきたいなと思っています。
近年、弁理士資格を活用できる仕事が増えてきていますよね。私自身、経営に関わる情報を提供していくところに憧れがあり、弁理士の勉強を始めた側面があります。
これまでの経験を活かし、将来的には社会情勢に通じビジネスの場面でも活躍できるような「経営に関われる弁理士」になりたいと考えています。
そのためにも、知財はもちろん、民法その他の法律にも明るくなっていく必要があります。展望が開けると共にやるべきことも目白押しで、「道のりは長いな」と思っているところです。
弁理士試験は「諦めない」ことが何よりも重要だと思います。
人によっては、最初にテキストを開く時、最初に過去問にトライする時など、絶望する瞬間がもしかしたらあるかもしれません。でも時間をかけて学習すれば、きっとできるようになるものだと私は信じています。諦めずに、しっかりコツコツと頑張っていかれることをお勧めしたいです。