受講生 合格体験記

「林先生の添削が論文突破の大きな助けに」
コロナ禍の入国規制にも挫けず、ストレート合格!

陳 甫奕 様

  • 年齢

    37歳

  • 職業

    特許事務所勤務

  • 受験回数

    3回(資格スクエアでは1回)

  • 主な受講講座

    論文対策パック、論文添削ゼミ

台湾弁理士資格の取得後に、日本弁理士資格に挑戦

弁理士試験の合格、おめでとうございます。今のお気持ちを率直に聞かせてください。

6年という長い時間をかけての挑戦となりました。やっと合格できて非常に嬉しいです。

どのような動機で弁理士資格取得を目指されたか、お聞かせいただけますか?

私は元々台湾の特許庁で働いていました。審査アシスタントとして3年勤めた後に審査官の試験に合格し、審査官として2年間勤務してから台湾の弁理士試験に合格しました。その後は台湾の特許事務所で働いていました。

その頃は主に日本からの出願を担当していました。日本からの出願について、クライアント様から色々なご質問があり、台湾と日本の特許法の規定の差異を説明する場面が多々ありましたが、これは非常に難しいことでした。そこで「日本の制度をもっと知りたい」と思い、日本の特許法を勉強し始めました。

実は、台湾の特許法は主に日本の特許法に基づいて制定されたものが多いのです。台湾の特許法の源として日本の特許法がある、とも言えます。そのような背景もあって、日本の弁理士試験に挑戦したいと考えました。

台湾と日本、両方の弁理士試験に挑戦されたのですね!どちらの試験の難易度が高いのでしょうか。

言語の違いのみならず、内容的にも日本の方が難しいです。学習する範囲も広いですし、細かな部分まで質問されますね。

台湾と日本の弁理士試験は大きく違うのでしょうか。

違う部分が多いです。まず台湾の弁理士試験は7科目です。そして例えば特許法の試験は、40点分の短答と60点分の論文で構成されています。つまり一つの試験科目に短答と論文が入っているんです。

そして7科目の中には特許法、審査基準、行政訴訟法、特許出願事務などがあります。特許英語、または特許日本語の選択科目も。さらに基礎物理および基礎科学という必須科目もあって、理系の人にとっては大きな後押しとなります。

そして、この7科目で平均60点を獲得すれば合格できます。もう一つ、受験者全体の上位16%に入ることができれば合格、という要件があります。

ちなみに私は中国の弁理士資格も持っていますが、中国の弁理士試験はこの3国の中で一番簡単と言えます。中国では特許出願が非常に多いため相当数の弁理士が必要で、自ずとそのような傾向になっていくのですね。

理系のご出身でいらっしゃいますか?

はい。専門は電子物理学です。

日本の弁理士試験の際は、選択論文は免除になりましたか?

いいえ。私が卒業したのは台湾の大学院ですので、免除は適用されません。選択論文は基礎物理で受験しました。大学時代のテキストで学習しましたね。

学習を開始した当時、周囲には弁理士や、弁理士志望の方はいらっしゃいましたか?

日本の弁理士試験の勉強を始めた2018年当初は、勉強仲間も、台湾出身の合格者の知り合いもいませんでした。

そしてコロナ禍の影響で2020年から22年まで日本に渡航できない期間を挟み、今年再挑戦することになりましたが、今回は台湾出身の先輩と知り合いアドバイスを受けることができました。一緒に受験する台湾人の仲間と情報交換もしました。彼らのおかげで合格を果たせたと思っています。

資格スクエアを選んだ理由・良かったポイント

台湾の弁理士試験に向けた学習の際は、予備校を利用しましたか?

台湾の弁理士試験を受けた時は、ほぼ独学で合格しました。しかし日本の弁理士試験は難しく、独学は無理だと感じました。

数ある予備校の中から、資格スクエアをお選びいただいた決め手はどこにあったのでしょうか。

論文の添削があることが決め手の一つでした。他校で学んだ際には添削がなかったんです。資格スクエアの添削指導でしっかりとフィードバックしてもらい、自分に足りていない点について知ることができ、論文に対するセンスが徐々に上がっていったと感じます。

講座をお受けいただく中で、良かったと思う教材や機能などがあれば教えてください。

まず林先生の解説が良かったです。非常にわかりやすく丁寧ですね。他校のオンライン講座を受けたからこそ分かることですが、全体を通して資格スクエアの講座は説明が詳しいと感じます。

機能面で言うと、講義画面が見やすいです。動画を再生している右側にテキストが表示されるので、参照しながら学習できて非常に便利でした。
また、音声だけを流して学習できるのも助かりました。車の運転をする時もながら勉強ができるのがいいですね。

↑資格スクエアの講義画面は
テキストや学習に必要な機能が集約されており便利

 

逆に「資格スクエアのここが良くない」という点は思いつきません。

「過去問・条文に集中」で短答式試験、再合格!

ありがとうございます!それでは、弁理士試験3回のチャレンジで辿った道筋について、ご教示いただけますでしょうか。

2018年に独学で学習を開始し、短答式試験に合格したものの論文式試験は逃しました。論文の独学は難しいと実感し、翌19年は他校のオンライン講座を受講しましたが不合格でした。

そして20年には資格スクエアの論文対策パックに出会い講座を受け始めたんです。
先ほどお話しした通り、20~22年の間はコロナ禍で日本への渡航ができなくなってしまいました。それでも、資格スクエアの講座で学習を継続して渡航解禁に備えました。

そして23年に短答式試験に再チャレンジして合格。論文式試験を突破し、口述試験も受かって、最終合格となりました。

入国制限のせいで、短答式試験の免除期間が過ぎてしまったのですね。そんな中でモチベーションを保つのは難しかったのではありませんか?

気持ちを途切れさせないために、常に基本の学習を継続するよう意識しました。例えば特許法の条文を2、3ヶ月で1周する、もしくはテキストや参考書で学ぶといった形で、コンスタントに勉強を続け、知識を維持し続けました。

「コロナ禍の間は受験できないけど、その先を考えて最小限の知識だけは忘れずに」と考え、基礎固めに努めるようにしていました。

臥薪嘗胆で努力を続けて、満を持してコロナ禍後の23年にストレート合格。素晴らしいですね!今回の短答対策は、どのように取り組まれましたか?

2018年、最初に短答を受験した時は、最初から青本を読んでしまったんです。全てを3~4周読みましたが、大変な労力が必要でした。
青本には短答式試験に関わらない知識も多く、何がポイントか分からないため、その時は相当な時間がかかってしまいました。

今回の短答対策は2018年の経験に基づき、まず青本を読まず、過去問と条文理解に重点をおいて勉強したんです。そして短答の準備方法や勉強法に関する林先生の動画を観ました。

↑陳様のノート。条文の要点が端的にまとめられています

 

元々は条約が得意ではありませんでしたが、林先生のアドバイスのおかげで苦手意識が薄れました。そして、幸いなことに今年の条約は簡単だったため足切りを回避でき、無事短答に再合格することができました。

学習時間はどのくらい取られていましたか?

試験直前の2~3ヶ月の平日は、1日3時間ほどです。そして休日は6時間以上勉強しました。

「林先生の解説と添削」が論文対策の要

短答式試験に再合格した2023年ですが、この年は論文式試験も視野に入れて学習を進められていたのでしょうか。

今年度の受験は短答式試験の再受験から始まりましたが、まず短答に合格する自信がありませんでした。そこで「とりあえず短答だけでも突破できるように」と考えて学習を進めていたんです。そんなわけで、論文の準備は短答合格後に急遽始めることとなりました。

論文式試験に向けた学習は、どのように進められましたか?

完璧な解答を書くのではなく、3科目それぞれ54点(合格ライン)を超えることを目標としました。

2019年に初めて論文式試験を受けた時には、特許、商標に集中し過ぎてしまいました。結果的に、特許法と商標法は54点を超えたけれど、意匠法は46点で落としました。惜しいところで合格を逃したのです。
その時の経験を活かして、今年は3科目全てにおいて合格ラインの点数を取れるよう勉強時間を調整しました。

具体的には、林先生の論文講座を急ぎ学習し、直前論文添削ゼミを受け、自分に足りない部分を意識して受験しました。

2023年の論文式試験が、終わった後の所感はいかがでしたか?

予備校の解答速報を確認し、「今年はダメかな」と思っていました。例えば、商標では使用許諾の趣旨を書けなかったなど、不安材料がありまして…。

そんなわけで、なかなか口述試験の準備に取り掛かる気持ちになれませんでした。「もしも不合格だった場合は、来年もう一度資格スクエア講座を受けよう」と思っていたんですよ。

結果的には論文式試験に合格され、その後口述対策に入ったのですね。

はい。論文の合格発表が終わってから開始したために時間がなく、焦りながら口述試験の練習をしました。林先生の口述対策と、口述模試も受けました。

私の場合、母国語が日本語ではありません。そのため、リスニングとスピーキングが必要な口述試験は非常にハードルが高いのです。しかも普段は台湾に住んでいるため日本語を話す機会がほとんどありません。

そこで、日本語の先生と日本語の特訓をしました。またTwitter(現X)で勉強仲間を探し、口述試験の練習もしましたね。

外国の方ならではのご苦労もあられたのですね。口述試験を終えた後はどんなお気持ちでしたか?

特許・実用新案は雑談に入ったので「大丈夫だな」という感じでした。意匠法については質問意図が分からない問があり「これは落ちたな」と。そして商標法は最後まで全部答えることができました。
特許と商標の2科目で問題なかったため、「今年は合格できそうだ」という明るい気持ちでした。

今後のキャリアとメッセージ

本当におめでとうございます。弁理士試験合格を叶え、今後はどのような活動をお考えですか?

日本の弁理士資格を取得したことで、「さらに多くのクライアント様にご満足いただけるのでは」という期待感があります。

また今後も日本に出張する機会がありますので、その際には積極的な交流を心掛け、台湾と日本の特許協会の架け橋になりたいと思っています。

これから受験をする方に向けて、激励のメッセージをお願いします。

弁理士試験は長い戦いです。そして難しい試験です。苦戦しながら学習を進めることになるかもしれません。でも、諦めないことが肝要です。

私は6年間学習を継続し、3回受験した末に合格しました。もし受験生の方に声をかけてあげられるとしたら、「諦めずに勉強を続けることが非常に大切だよ」と伝えたいです。