H.K 様
25歳
学生
3回(1回目お試し受験)
基礎・短答・論文パック、論文添削ゼミ
まず受かって嬉しい気持ちがあります。同時に「もうあの勉強をしなくてもいいんだ!」という解放感で一杯ですね。
自分は知的好奇心が強い性格です。そのため「自分で新しいものを生み出す」こと以上に、弁理士として「自分の知らないものを知る」ことに魅力を感じました。
研究職に就きたいという気持ちもありましたが、弁理士になれば常に新しい発明に触れることができると考えました。そこが弁理士という仕事に心動かされた大きなポイントです。
はい。大学院に進学したので選択論文は免除になりました。専門は有機化学です。
全くいませんでしたので、勉強は一人でやっていました。誰かと一緒に勉強したり、進捗を伝え合ったりすることにあまり必要性を感じないタイプなので、特に不都合はなかったですね。
はい、短答式試験合格後に、今の弁理士事務所に入所しました。
勉強を始めた当時はコロナ禍で、「在宅の時間を勉強に充てたい」という考えがありました。
また、自分は綿密なスケジュールの中で動くのがあまり得意ではありません。通学型の場合、講義の時間が決まっているため相性が良くないなと。その点オンライン型であればスケジュールを立てやすく、ざっくりと「何時間勉強する」と決めて自分の好きな時間に進めていけます。それは大きなメリットだと感じました。
↑時間と場所を選ばず、ご自身のペースでどんどん進めていただけるのが特長の一つ
当時は学生ということもあり、あまり高い費用は払えません。逆に安すぎても不安があります。そこで、実績があり費用面でも程よい資格スクエアに決めた形です。
2021年の2月頃に学習を開始して、その年の短答式試験をお試し受験しました。翌22年の短答式試験は惜しくも逃してしまいましたが、23年に短答、論文、口述をストレートで突破し、最終合格しました。
21年の短答式試験は基礎講座や青本講座を受けたくらいのタイミングで、一度も過去問を解かずに受験しました。基礎固め真っ只中でのまさにお試し受験で、「一度受けてみるか」という気持ちでした。それでも会場の雰囲気やスケジュール感など、得られるものは大きかったと思います。
21年の短答式試験が終わってから、しばらくは基礎講座と青本講座を受けていました。
そしてその後「年内のうちに論文対策をしておいた方がいい」という林先生の言葉もあって論文講座を始めました。
ところがこの頃から卒業研究や卒論が忙しくなり、一日1時間程度しか勉強時間を取れない日が続いたんです。
そしてほとんど論文対策ができないままに年を越し、「もう仕方がない」と短答の勉強にシフトして過去問を解き始めました。ひたすら短答過去問を回しました。
2022年の1月はまだ卒論が慌ただしい時期で、一日2時間程度。2月に入ると今度は大学院の研究が始まりましたが、なんとか頑張って一日3時間ほど。この頃の勉強時間は週換算すると15~20時間でしょうか。
それ以降は短答式試験の本番に向けて時間をしっかり確保しました。教授にはあらかじめ「弁理士を目指している」と伝えてあったので、「短答式試験が終わるまで」という約束で、4~5月にお休みをいただき一気に短答対策に打ち込んだんです。一日7~8時間、週換算で60時間くらい勉強していたと思います。
実のところ、条文は全く読んでいませんでした。
条文を読む、四法対照を読むというような、「読む勉強」があまり好きではないんです。解く方が好みなので、とにかく「過去問を解く」方向に行っていました。 15年分ほどの過去問を頑張って回そうと思い、2周ほどしました。
38点でした。マークミスで一点足りずに合格を逃しました。
この時はショックというよりも、「何をしているんだ!」という自分に対しての苛立ちが非常に強かった記憶があります。
22年度の短答対策時は過去問をひたすら回し、条文は過去問に付随して理解するようなイメージでした。
しかし23年度に向けては、戦略を変えようと考えました。「一度過去問から離れ、条文をしっかり理解する」という方向にシフトしたんです。
条文と青本のレジュメを中心にインプットしようと決意したのですが、実は私は暗記が得意ではありません。そこで、あまり嫌々でなく覚えられる方法を自分なりに考えました。
要は「この問題は何条のあのことを言っているんだな」と分かればいいので、条文集を1条から読んでいく必要はないですよね。
そこで、「キーワードから条文を想起できるようにしたい」と思ったんです。
具体的にはWordを使い、例えば1つ目に目的、2つ目に定義と書いて、3つ目は1条1項の1フレーズを羅列したような形の、いわば自己流の問題集を作り、冬くらいまでずっとそれで勉強を続けました。
常にアウトプットになる勉強を意識したいと思っていましたし、「問題を解くのが好き」な自分の性格を活かした方法で、条文学習をやり遂げたいという気持ちでした。
短答式試験の前は、論文学習をしていません。
「条文メイン」に短答戦略を変えた頃から、大学院の研究の忙しさがピークを迎え、7~11月は前年同様、一日1時間程度の勉強時間しか取れなくなってしまったのです。
そこで論文対策はとりあえず捨て、まずは短答を突破することに目標を定めました。短答の勉強をスムーズに進めるため、条文と青本に注力して土台を固めました。
そして大学院の修士論文を出したのが明けて23年1月、修論発表が2月の頭。そこからようやくまとまった時間が取れるようになったので、その後は滅茶苦茶勉強しました。
一日10~11時間は勉強してたと思います。週換算すると70~80時間ですね。 23年の2月以降は月300時間を目標にしていました。実際に300時間を超えたのは2ヶ月ほどで、あとは280~290時間ですが、短答対策のみにそれだけ費やしました。
はい。勉強時間の配分としては、過去問と条文が半々くらい。一日に過去問を5時間やって、条文を5時間覚えていくという形で進めました。
条文に力を入れるようになってからは「過去問をすらすら解けている」と強く感じるようになりました。
はい。49点で合格できました。
私はやや変則的で、条約から解いていくタイプなのですが、条約の時点で「ほとんど正解できているだろうな」という感じがあり、それ以降もかなり順調に解き進むことができました。
条約が一番苦手なので、その分短期記憶で対処していたんです。
足切りのことを考えると「とにかく条約を突破しなければ」という意識が強く、不安解消のためにも最初に解きたかったというのが理由ですね。結果的には条約も8点取れていました。
ただ、商標だけ自己採点で5点と低めで、そこは気になりました。解答速報を見て、49点取れていることが分かり「よし」と思いました。
短答の自己採点が済み、合格を確信してすぐに論文の模試に申し込みました。大手予備校が開催する複数回がセットになったものです。
その次の週には第1回の模試が始まるので、「さて、どうやって勉強をしていこうかな」と考えました。
はい。論文書き方講座は1周していましたが、それも随分と前のことで、ほぼゼロからのスタートと言っていいような状態でした。
他校の論文模試で添削機会を作るのと同時に、論文講座を進めていきました。メインで学んだのは論文解き方講座と実践講座の2つです。
↑論文スキルを分解し、効率的に論文力を鍛えられる論文対策講座
書き方は要件・効果のあてはめ、解き方は論点抽出と解法取得、実践は本試相当の実践力を鍛える
(イラストは林講師作)
それから条文は短答対策で大分頑張ってインプットしていたので、青本講座のレジュメを軽く見返すことで記憶定着に努めました。
模試は受けましたが、実は論文の過去問は一度もちゃんと解いていないんです。基本的には資格スクエアの論文講座(解き方・実践)だけで論文の力をつけた、という形です。
まず例題を解いてみました。そして「全然分からないな」というところで講義動画を観て、「こういう考えをするのか」と理解していった感じです。
論文講座(解き方・実践)をとりあえず1周した頃に1回目の模試を受けましたが、全く解けなくて焦りました。「でも、もうやるしかない」と思って、その後論文講座を3~4周しました。
「論文は綺麗な文章を書くのではなく、書いてあることが正しければ点数がつく」という話をネットで見つけたんです。
文章力ではなく、とにかく点が乗る部分を固めること。書き方が大事なんですね。
あとは林先生のアドバイスの実行です。
「論文講座の中でも特に『解き方講座』は、本試験よりも問題量が多い分、判例など論文用のインプットが十分にまとまっている」「だから、あまり論文対策してない人はまず『解き方講座』をしっかりやった方がいいですよ」とおっしゃっていたんです。
それを信じて解き方と実践の2講座をひたすら回し、資料の中に入ってる判例も本当に一生懸命覚えました。
対策期間中は資格スクエアの添削ゼミのほか、他校の論文模試も4回受けましたが、その結果が芳しくなかったんです。資格スクエアの添削ゼミは、林先生が優しく採点をしてくださるので必要以上のダメージはありませんが、大手予備校の論文模試はそうではないですね。
模試を受ければ受けるほど見たことのない問題が出てきて、何を書けばいいのかどんどん分からなくなっていきました。
そこで「模試についてはいったん忘れよう」と思ったんです。そして、本試験当日まではとにかく林先生の論文講座(解き方・実践)に没頭しようと決めました。
正直「落ちたな」と思いました。
もちろん書けないということはありませんが、特に意匠法は自信がなく、特許法も大問を丸々一問落とし、「もう絶対にダメだ」と思いました。
私は短答式試験に合格した後に、現在の特許事務所に就職しました。内定が出たのが8月の上旬だったのですが、面接の時に事務所の所長が「論文の結果に自信がなくても、口述の勉強はしておきなさい」と強くアドバイスしてくれたんです。その言葉に従いました。
はい。「口に出す練習」として口述模試を8回受けました。週に2~3回のペースなので、かなり高頻度かなと思います。
人前で話すことに苦手意識は全くないので「そこまでしなくても大丈夫だろう」とも思いました。でも、「どのような問題が出るのか」という傾向を知っておきたい気持ちが強く、模試の回数をこなした感じです。
口述対策の問題集も、やはり出題パターンを知る意味で購入して軽く解きました。
実は、今年度の難関と言われた口述試験一日目に当たったんです。特許法で「何だこれは」という問題が出ましたが、もうとにかく喋り倒しました。
「本当ですか?」と訊かれたら、落ち着いて条文に立ち返って乗り切りました。試験官が優しく誘導してくれるタイプの方だったのも大きいです。おかげでベルも1回しか鳴らず、後から振り返ってみても「何でも口に出しておいて良かった」と思います。
そんなわけで特許法が終わった時点で安心感があり、意匠法で雑談まで言った時は「勝った!」と思い、商標法はかなり気楽に受けることができました。
就職活動と同時進行だったことで、学習意欲を維持し続けられた部分があるかもしれませんね。
特許事務所への就職活動で、「短答式試験に通ると、就職が楽になる」ということを実感しましたし、実際、短答に合格して内定をもらえる流れとなりました。学習が、そのまま就職に繋がっているという状態がモチベーションになりましたね。
短答対策で使う製本版の過去問ですが、一番最初にページを切り離してバラバラにしました。そして順番をシャッフルして取り組みました。
↑短答問題集は、天ノリ綴じというバラバラにしやすい仕様になっています
これは、YouTubeで見たメンタリストDaiGoさんの勉強法なんです。数学を勉強する時に問題集を一枚一枚切り離してやっていたと。「これは面白そうだな」と思って自分も試してみました。ランダムに取り組むことで、次の問題の予測もできないし、「脳が飽きない」ということが、効果的だったと感じています。
シャッフルの方法ですが、例えば特許法であれば、先願とか新規性とかテーマで固まらないようにシャッフルしました。いわば本試験に近い形でずっと過去問を回していました。
そしてしばらくやってみて、「ここは苦手だな」と感じた問題は、WEB過去問集(現:弁理士短答攻略クエスト)の方でその分野について重点的に解きました。
これからも様々な知識を習得し、業務に役立てていきたいです。
また事務所に入って実務を積む中で、「弁理士とはクライアントとの信頼関係が非常に大切な仕事なのだ」と実感しています。自分の理想像である「信頼される弁理士」に近づいていきたいと思っています。
私は当初「問題を解いていればいいだろう」と考え、勉強を進めていました。しかし、やはり条文理解は必要です。主要条文と、あとはややこしい部分…例えば、救済規定の「故意なく」「不責事由」とか。それから実用新案の長々とした十何項もあるあたりなども、やはり丁寧に覚えていくことが大切なんだと、身をもって知りました。
暗記が苦手な方も、腹をくくって、私のようにやり方を工夫しながら取り組むことをお勧めします。「条文から逃げないことが一番の近道」ですよ。
H.K様は、暗記を「問題を解く」という得意のスタイルに適合させるために、様々な工夫をされていました。
↑短答対策用の条文想起シート
書かれたワードから、ポンポン条文の文言を想起できるように訓練
(青本講座レジュメの短答版のイメージです)
↑エクセルで作成した、お手製のミニテスト
過去問で苦手なところをピックアップし、問いかけ形式の資料で想起できるように工夫
↑四法の根拠条文、準用関係を整理したもの