塚本 悠介 様
30代前半
国立研究所 研究員
2回
基礎・短答・論文パック、論文添削ゼミ
最初はやはりホっとしたというのが大きいです。その後だんだんと、嬉しさがこみ上げてきましたね。
研究員をしていた頃、自分の研究を特許出願する機会がありました。その時に研究所に出入りされている弁理士の方がいらっしゃったんです。
弁理士という職業があることは以前から知っていたのですが、実際にどういう仕事なのかは知りませんでした。
自分の研究を特許出願するにあたって初めて弁理士という仕事の実像を知り、「弁理士って面白い仕事だな」と思ったのがきっかけでした。
一つは「資格があれば将来的に強いだろう」という考えです。「このまま研究を続けた先にどんな未来が広がっているのだろうか」という研究職に対する漠然とした不安を抱いており、そこが発露になったように思います。
もう一つは、広い目で見た時のやりがいです。研究員の場合は一つのことを深く掘り下げますが、弁理士になれば多くの分野で様々な発明に触れることができます。
さらにその中で、誰かに喜んでもらえるなら素晴らしいことだなと思ったんです。
もちろん研究員をやっていても人の役に立つことはできますが、なかなかその「誰か」が見えにくい部分があります。その点、直接クライアントのために頑張れる弁理士は魅力的でした。
はい。学生時代は昆虫科学のような基礎的な生物学の研究をしており、前職は基礎医学に関わる研究員でした。
そんなわけで、選択論文は生物で免除になりました。
まずは通学型の大手予備校を考えましたが、その頃ちょうど子どもができまして、自分の都合だけで時間を使いにくい事情がありました。
また通勤に2時間かかっていたので「この時間を活かせたら」という気持ちがありました。 そこで通信型がぴったりだと思ったんです。
資格スクエアに決めた理由は、いくつかのオンライン予備校を比較した中で「一番内容が厚い」と思ったからです。
分からないところが出てきた時、講義を繰り返し視聴できるのは助かりました。また、倍速機能で時間の節約ができるのもオンラインならではの良さだと思っています。
↑21段階の倍速機能は、使ってみると便利さがよく分かります
自分は紙に書き込むタイプなので、紙のテキストが用意されているのも助かりました。試験直前まで見返すことができる点を考えても、やはり便利でしたね。
2020年の12月から学習開始。22年の短答式試験はギリギリのところで逃し、23年の試験で短答・論文・口述を突破し、最終合格となりました。
基礎講座を受けながら、早い段階で短答過去問を解いていました。条文はあまり読んでおらず、基礎講座のレジュメをメインに進めていました。
一年目の短答は合格こそ逃しましたが、手応えは悪くありませんでした。この時点である程度の短答対策はできていると判断し、その後はまず論文の勉強を始めました。
最初に論文書き方講座、次に解き方講座と進めました。冬期論文添削ゼミも受講し、冬頃までは論文に注力していました。
通勤時間や昼休みをほとんど弁理士試験の学習に充てていたので、平日は4時間ほどでしょうか。子どもができてからは、休日よりも平日に頑張るという感じでした。
例えば論文対策ですと、賛否はあると思いますが、電車の中なので実際に文字を書かずパソコンで打っていました。いただいたPDF資料も大いに活用しました。
論文は書き方講座と解き方講座をメインで取り組みましたが、最初の頃は書き方講座の「一行の問題に対して要件を何個か出していく」ということだけ、ずっとトレーニングしました。
その後の解き方講座では、要件、論点が増えましたが、ここも全文書きをするというよりは、「これとこれを書かなければいけない」というメモ書きを作っていたイメージです。
そして、抜け落ちていた箇所には「次回は気をつける」という意味でPDFにマーカーしていました。これを電車でのスキマ時間に繰り返しやっていましたね。
実践講座については、時間がなくてほとんど抽出作業だけしかできませんでした。ただ掲載されている判例だけはよく確認するようにしました。
そして実際に「書く」練習をしたのは、冬期論文添削ゼミと直前ファイナル論文添削ゼミだけです。
一年目の短答式試験後、論文対策を進めていく中で、趣旨や設立背景といった、「なぜ」に相当する部分がだんだん理解できるようになりました。
それによって、「こういう趣旨だからこうなるよな」など、逆算して解答を導くことができるようになりました。期間にしても「30日あった方がいいのか」「3ヶ月あった方がいいのか」「30日で足りるのか」という感覚が分かるようになってくるんです。
そこが掴めたおかげで「そのように解いて正解したところはもう間違えないな」「自分の感覚とずれていたところだけ覚えよう」という形で、問題の解き方がとても効率的になりました。
基礎講座を回したばかりの頃は曖昧だったのですが、論文対策を通じて、ようやくその本当の意味が分かってくるようなところがありましたね。
難しい質問ですね、心情的には短答だけ先に受かりたい気持ちもやはりありますから、、
でも、もし学習時間や期間をもっと取れたとしたら、論文を挟むと思います。基礎講座を受けて、論文の問題を解いて、最後に短答の細かい知識を入れていく方がスムーズかもしれません。
基本・核となる部分を固めておくことで、短答問題を解く時にも切れる肢がたくさん出てきますし。そういった意味で、結果的には短い期間で合格できるように思います。
冬期添削ゼミが終わってからです。前年の対策で短答の土台ができていたので短期決戦でした。条文を読むのはもちろん、過去問をひたすら回しました。
具体的には過去問の問題集を一枚一枚バラバラにして取り組み、正答できた問題は捨てるようなやり方です。3回丸がついたらその問題は捨て、とにかく問題の束をなくしていくことを毎日ゲームのようにこなしていました。
↑問題ごとをバラバラに切り離しやすい仕様の、短答問題集
あとは自分の声で吹き込んだ録音をずっと聴いていましたね。特許法などと違い、PCTや不正競争防止法、著作権法あたりは「なぜそうなるのか」ではなく、「そういうルールだから」と、趣旨から逆算するのではなく覚える必要があるんですよね。
はい。一年目は基礎講座のレジュメメインでやっていましたが、二年目は条文をしっかり使うようになりました。
何というか、騙されたと思って通読してみるといいのかなと思います。通読はオーソドックスな勉強法でありつつ、正直なところ「非効率的なのかな」と最初は思っていたんです。
でも、実際に1条から読み上げていってみると、徐々に法域や条文同士の繋がりが分かってくるんです。
例えば準用に関しても、最初はふわっと押さえていただけでしたが、あらためて意識して読むと準用関係はもちろん、逆に「ここは準用していない」という部分も見えてくる、といった気づきがありました。
実は、短答前に特許事務所に転職することができました。そして短答式試験が5月で終わり、7月に論文式試験です。
資格試験の勉強ということで事務所に配慮してもらえる側面もありましたが、やはり時には残業もあって、平日の勉強時間は3時間ほどでした。
休日は家族に協力してもらい、例えば午前中だけ集中するなどして、4~5時間は確保していたと思います。週換算すると、20~30時間といったところです。
学習内容としては新しい問題をやるというより、今までに勉強した論文講座(書き方、解き方)や論文添削ゼミ(冬期、直前ファイナル)の復習をメインにやってました。
実のところ、本番当日になってタイムマネジメントの重要性に気づきました。
論文添削ゼミも一応、タイマーを使い時間を測りながら受けたのですが、自宅で気分的にリラックスした状態で臨んだので、本番のシビアな状況におけるタイムマネジメントの重要性を認識できていなかったのです。
そしていざ本試験を受けてみると、時間配分の勝手が違ったんですね。
特許を受けて「これはまずい」と気づき、休み時間に急いで意匠と商標の条文番号を覚えて対応できるようにしました。
元々、法文を参照する時にパッと出せるように、条文の構造は頭に入れておいたんです。そのおかげで、本番の昼休みの短時間で「実際には何条か」という部分を確認するだけで済んだのが大きかったですね。
終わった瞬間は「全然ダメだった」という感想でしたね。書けなかった論点の印象が強すぎて…。
今振り返ってみると、「実際にできた」部分よりも「これが書けなかった」「これを落とした」という部分に目が行きすぎていたように思います。
そうですね。「ダメかもしれない」と思っていても、論文が終わってすぐに口述対策用の問題集を買い、準備を始めました。
資格スクエア、他校、特許事務所、会派のものをできる限り、5~6個は受けました。口述試験は情報が少なく不安もありましたが、模試のおかげで雰囲気をつかめました。
問題集で勉強するだけでは分からなかった、口述でよく言われる「助け舟に乗る」という言葉の意味が理解できました。
問題集ではインタラクティブなやり取りを再現できないので、「もしも趣旨をど忘れしたら落ちるのかな?」と思っていましたが、模試を重ねる中で、その「もしも」が起きた時に、どう対応すれば助けてもらえるのか体感できました。
私は二日目の試験でしたが、「一日目の特許が難関だった」という情報をTwitter(現X)で見て少し怖いなと感じました。ただ、「まぁ同じパターンの問題が出ることはないだろう」と割り切りました。
実際に受けてみるとオーソドックスな問題が多く、特殊な論点を訊かれるということはなく、特許法、意匠法と進む中でかなりの手応えを感じました。そして「これは大丈夫そうだな」と安心して会場を後にしました。
自分としては「論文書き方講座が一番大事」だと感じました。 論点抽出ができるようになっていることが前提ではありますが、極端な言い方をすれば、論文は「書き方講座」のスキルをしっかり身につけられれば、合格最低点を取れるのではないかと。
↑塚本様もフル活用された、論文書き方講座
基本的なところを漏れなく習得していれば、例えば本試験で受験生の数パーセントしかできないような論点を落としても大きな問題はありません。特別なことはいらなくて、他の受験生を少し上回っていればいい。その意味で、林先生の「論文書き方講座」には基本的な部分でしっかり点を乗せるためのメソッドが詰まっていると思います。
はい。書き方講座をマスターした後だと、基礎講座の意味もスッと理解できます。
また、私は青本講座のレジュメをずっと活用していましたが、書き方講座をやった後に見てみると、要点さえしっかり理解していれば、追加で覚えるまでもなく「当然そうなるよね」と腑に落ちるところがありました。趣旨やコアな知識から逆算して考えられる事が多いんですね。
論文書き方講座には、一番お世話になりました。
↑論文書き方講座は、論文で点が乗るスキル(要件-効果のあてはめ)の習得だけでなく
基礎固め期にコアな知識を固める目的でも使える、一粒で二度おいしい講座
(画像は林講師作)
個人的には、菊池先生のお話が面白くて好きでした。
菊池講師は講義で時たま雑談をしてくれるのですが、「もっとたくさん聴きたかったな」と思います。多分時間の関係で「これくらいにしておこうか」という感じで切り上げられるのですが、そういう雑談って、実は頭に残って記憶の助けになったりするんですよね。
また、菊池先生のお話を聴くうちに「実際に特許事務所で働きたいな」という思いが強くなっていきました。
↑受講生を実務の世界へといざなう、菊池講師の基礎講座
研究員だった経歴を活かし、学会や研究会に参加して研究者の方のお話を伺いたいです。そして、これまで特許に縁がなかった人や興味がなかった人を、出願や収益化の面でお手伝いできれば嬉しいです。
特許事務所で実務経験を積み、力をつけている段階なのですが、一人前にこなせるようになったら、ぜひそういったご提案をしてみたいですね。
これまで多くの合格者の方ががおっしゃっていることと思いますが、弁理士試験は正しいやり方で学習すれば絶対合格できる試験だと思います。
そして、その「正しいやり方」は資格スクエアが提供してくれます。提供されたものをしっかり消化すれば、その先に合格があります。
あとはやはり諦めないことが大切です。学習では、考えず「覚えるしかない」という内容もあり、時には面倒に感じることもあります。
でも、そこは先生方が「これはただ覚えるんだよ」と要所要所で指示してくれるので、それに従うことです。「継続していけば絶対に受かる」そう信じて、挫けずに弁理士を目指してほしいなと思います。