受講生 合格体験記

「青本講座と実践講座は最強の二本立て」
二年計画の道のりを踏破し、見事合格!

GT 様

  • 年齢

    30代前半

  • 職業

    メーカー営業本部勤務

  • 受験回数

    2回

  • 主な受講講座

    基礎・短答・論文パック、論文添削ゼミ

知財への興味から、弁理士の世界へ

弁理士試験の合格、おめでとうございます。今のお気持ちを率直に聞かせてください。

この2年弱はかなり大変な期間でしたので、「やっとプレッシャーから解放された」という気持ちが一番強いです。

どのような動機で弁理士資格取得を目指されたか、お聞かせいただけますか?

知財関連の研修を会社が開催しており、そこで勉強して興味を持ったのがきっかけの一つです。当時は知財検定2級まで取得しました。

また、会社で学術的な業務に従事しているため、「箔をつけよう」と言う気持ちもありました。もしも弁理士資格を取れば、仕事をする上で自分の言葉に重みを持たせることができるなと思ったんです。

理系のご出身でしょうか?

薬学部出身で、薬剤師の免許を持っているので選択論文は免除となりました。

短答対策は「資格スクエアの教材で十分だった」

弁理士試験2回のチャレンジで辿った道筋について、ご教示いただけますでしょうか。

2021年の10月に学習を開始して、翌22年の短答式試験に合格し、23年に論文、口述を突破して、最終合格した形です。

一年目はどのような学習をしていましたか?

一年目の勉強は短答突破を目標に定めました。論文に関しては「通ったらいいな」程度の気持ちで、短答対策に力を注ぎました。

まずは学習を始める前に、短答対策の問題集と四法対照をネットで買いました。そして21年の10月1日から資格スクエアを受講スタートしました。具体的には基礎講座の講義動画を2~3本ずつ一日3時間ほど視聴して、残りの時間は購入した短答問題集で勉強するというルーティンです。これを22年の1月くらいまで続けました。
それ以降は資格スクエアの短答過去問集を回していきました。

ネットで購入された他社の短答問題集も役立ちましたか?

振り返ってみると、資格スクエアの短答問題集で十分でした。結局、その問題集は1周して終わりにしました。

一方で資格スクエアの短答問題集は、短答本番までに7周くらい回しましたね。
資格スクエアの方が問題も多かったですし、自分としては見たことのない問題に触れることを重視していたので、20年以上の問題が収録されている資格スクエアの問題集は大変役立ちました。

↑計6冊に20年以上の短答過去問を掲載した、短答過去問集

22年の1月以降は、短答過去問など短答対策に集中した形でしょうか?

はい。過去問は五肢択一の紙のものを使いました。 何周も何周も毎日ひたすらやり続け、間違えた選択肢に✕をつけたり、よく分からない選択肢に△をつけたりして、次第に過去問がマークに埋め尽くされていきました。

「書いて、見て、声に出す」という自分の学習スタンスには、紙がしっくりきたんです。
紙の過去問の場合、自分の理解のためにメモや語呂を書いておけるので、「あの問題、この選択肢、、、何かで見たことあるな」と根拠条文を想起するきっかけになりました。 大体過去問を5周したあたりで、条文が頭に入ってきて「あ、つながった」という実感がありました。

WEB過去問の方は、席を立ったスキマ時間に使う感じでした。

条文の通読をするというより、過去問を回すことで根付かせていったということでしょうか?

そうですね。条文の音読や読み込みはせず、「ひたすら過去問を回して、間違えたらすぐに条文を見る」という型を繰り返していました。
何度も反復するうちに、画像が頭に焼き付けられるようなイメージで、いつの間にか暗記していました。

短答に向けた一年目は、「もう少し早めに学習開始すれば良かったのかな」という焦りの中でやっていたので、単に条文を読んでいるだけではなかなか頭に入ってこず、そのやり方が自分には合っていたように思います。

この頃はどれくらい学習時間を取っていたのでしょう。

平日5時間くらいで、休日は10時間くらいやってました。週換算すると40時間以上です。

素晴らしいですね!そうして迎えた2022年の短答式試験は、どのような結果だったのでしょうか?

無事合格できました。もう気分は「やったー!」という感じでした。

論文ゼミは「タイマーで時間管理を会得」

本格的な論文対策を始めたのは短答合格後なのですね。

はい。一年目は短答対策に集中したので、短答に合格してから論文対策を開始しました。

試験までの一ヶ月で、論文対策講座(書き方、解き方講座、実践)を詰め込んで一通り終わらせました。ただこの時は、解き方講座を見て「こんな感じで書くのか」と理解して構成は取ったものの、全文書きをしたことはありませんでした。

そんな状態で論文式試験を受けたので、やはり落ちてしまいました。

集中的に論文対策に取り組んだ一ヶ月で得たものはありましたか?

そうですね。課題や自分の立ち位置は見えてきたと思います。特に知識の定着度についてです。

短答対策の頃、「これだけ短答に打ち込んでいるのだから、もう十分知識はついただろう」と思っていたんです。ところが、論文を一通りやって、論文用の知識が全く足りていないことが分かりました。

論文対策で核となる部分を学んだ後にもう一度短答問題に目を通すと、本当の意味で内容が腑に落ちました。単なる暗記でインプットしたのではなく、血肉になったような実感がありました。
特に実践講座を回している時にその感覚を覚えましたね。

↑論文対策は論文を書くスキルを習得するだけでなく、知識の核となる部分を押えられる重要なフェーズ
(イラストは林講師作)

 

個人的には、最初に勉強を始めた頃に、短答だけでなく論文学習もやっておけば良かったな、、、と後から思いました。

論文対策から始まった二年目の学習は、どのように進められましたか?

22年の論文式試験の後は、結果発表までお休み期間という感じでした。そして本当にダメだったと分かった後、22年の10月1日から再始動しました。

大体一ヶ月ほどで論文書き方講座をもう1回見て、書き方講座で基本的な知識を身につけました。そこから年末までの一ヶ月は解き方講座をやって、23年の年明けから実践講座をひたすらやり続けました。10月からは本当に書きまくっていましたね。

この頃は全文書きをされていたのでしょうか。

はい。一年目は構成オンリーだったのですが、多分できない自分を自覚するのが怖くて逃げていたのだと思います。

二年目は毎日全文書きをしていました。一日に解く問題数を決めて着々とこなしました。例えば、特許・意匠・商標でそれぞれ1問ずつ、合計3問解く、というような形です。
かなり時間がかかることなので、引き続き平日も4時間ほど勉強時間を確保していました。

素晴らしいですね。それだけ実践を繰り返していれば、プレ模試とも言える試験の追体験になったのではないでしょうか。

そうですね。必ずタイマーで時間を計って臨んだので、時間管理の感覚が身についたと感じます。

最初から時間内で書き終えられましたか?

案の定というか、最初は全く時間内に収まりませんでした。何度やってもダメでした。

そこで収めるためにはどうしたらいいのか?「どこを削ればいいのか」「構成に時間を取り過ぎたのか」と試行錯誤していくうちに、ある時ふっと俯瞰して見ることができたんです。「あれ、今のやり方は違うかも」と。「こうすべきだ」という固定観念に知らず知らず囚われていたんですね。

そこで意識が切り替えられて、自分にとって一番いい形を見つけていけた感じです。そのためには資格スクエアさんの添削ゼミや林先生の過去問講座などで、触れたことのない問題に定期的に取り組めたことが良かったです。誇張なく、非常に役立ったと思います。

書く練習を重ねる中で見出すことができたのですね!一方でインプット系の学習も進めていたのでしょうか。

はい、インプットでは青本講座が滅茶苦茶役立ちました。あれのおかげで初めて条文を芯から理解できたと思っています。

何度も繰り返して、8回は回しました。講座を実際に視聴したのは2回ですが、あとは青本講座の資料をプリントアウトして、特許・意匠・商標と分けて取り組みました。やり方としては、解答の部分を手で隠しながら、いらないメモ用紙にどんどん書き出すような形です。

↑青本講座の資料は、現在のパックでは「青本講座レジュメ集」として製本テキストに

アウトプットしながら知識を入れていくような形なのですね。

「キーワードだけ覚えておけば、そこから条文を想起できますよ」というお話を林先生がされていましたが、私はそのキーワードが全然繋がらなくて、、。

そこでもう条文を文章として、イメージの形で覚えようと。そして、それが青本通りでなくてもいいから「自分なりの文章に書き出せるようにしておこう」と思ったんです。そのために、ひたすら書き出す練習を繰り返しました。

青本講座はいつ頃から使っていましたか?

一年目は時間がなくて全く使いませんでした。
二年目、論文対策一本に打ち込めるようになってから、、、しかも実は序盤でもなかったです。「本当にこれ必要なのかな」という疑いがあって全然踏み出せずにいたんです。

年明け頃からやっと取り掛かり、少しずつ進めていきました。そしてやってみると「これはいいぞ!」と気づきました。

ただ個人的には、もし一年目の最初に青本講座を観たら、意味が分からなすぎて嫌になってしまっていたと思うんです。ある程度条文の内容が理解できて、「なぜこの条文は存在してるんだろう」と疑問に思うようになった時に視聴したから、パッと視界が開けたのだと感じます。本当にスッと頭に入ってきて「あぁ!」となりました。下地がある状態で青本講座に取り組むと吸収率が高いと思います。

青本自体は使われたのでしょうか。

特許庁のサイトにアップされている無料のPDF版をネットから入手しました。青本講座のテキストをメインに使っていましたが、理解できないようなところがある時、根拠を当たる程度に参照していた感じです。

添削ゼミを受講されていますが、それ以外にも論文模試を受けるなどの対策はしていましたか?

自分の相対的な位置を知るために他校の全国模試を一度だけ受けましたが、基本的には資格スクエアの添削ゼミ(冬期、春期、直前ファイナル)が論文学習の根幹でした。

本番想定で、未知の問題に触れる機会が何度も作れたのが良かったですし、タイムマネジメントも身につきました。

波乱の論文から意表をつく口述まで「忘れられない経験」

そして23年の論文式試験に見事合格されるわけですが、この時の手応えはいかがでしたか?

一言では言い表せない、ある意味で思い出深い試験となりました。

個別にお話しすると、まず特実は微妙でした。それでも皆もできている感じがなかったので、「自分ができてないところは多分他の人も同じだろうから、いい勝負かな」と思ってました。そして次の意匠に関しては、非常に良くできました。

ただその後、商標でやらかしてしまいまして。。。内容的な問題ではなく、形式面での失敗です。
問題1の(設問1)(設問2)ときて、次に「問題2」と書くべきところを「設問2」と書いてしまったんです。つまり、「設問2」が2連続している状態です。

「やめ」と言われた瞬間に気づいて「しまった!」という気持ちでいっぱいになりました。「これはもしかすると採点してもらえないかもしれない」という恐怖を覚えました。

そんなわけで全体としては、「今回の試験はダメだろうな」と思ったんです。あのミスさえなければいい勝負だったのに、、、という気持ちでした。

あまりに心理的にこたえたので、資格スクエアに「この場合、どういう扱いになるんでしょうか」と問い合わせました。林先生からは「試験官によると思います」という回答をいただきました。そこから結果発表までは気が気ではなかったです。

そして蓋を開けてみたら、合格されていたのですね!

はい。採点官は優しい方だったみたいです(笑)。

ただ自分としては本気で「落ちたかもしれない」と思い、来年に向けた論文対策を始めていたくらいなんですよ。

では口述試験の対策は、論文式試験の発表の後から始めたのでしょうか。

論文式試験が終わってから1週間だけ休んで、そこから口述対策を半分、そして来年度の論文対策を半分という形で進めていました。

論文の合格が分かってからの一ヶ月弱は口述対策に没頭しました。口述試験過去問集を2冊購入し、これをメインで勉強しました。口述模試は4つ受けました。

本番の口述試験を受けた所感はいかがでしたか?

ここでも忘れられない展開になりましたね。私は一日目でしたが、この日の特許は意表をつかれる問題でした。最後までいかなかったし、パネルも開かせてもらえませんでした。もう撃沈です。

その後、気持ちを切り替えたかったのですが、意匠の試験前はもはや上の空でした。「あぁ、これは来年も受けることになるかも」と思っていましたが、実際に意匠を受けてみたところ凄く良くできたんです。それでちょっと自信を取り戻して、「もしかしたら商標の出来次第ではいけるかも」「諦めるにはまだ早い」と、そこから気持ちを立て直しました。

ジェットコースターのような心理状態ですね。最後には晴れやかな気持ちで会場を後にできたのでしょうか。

晴れ晴れとは言い難いです。商標ではプレッシャーによる緊張が酷くて、実際のところ何ベル鳴ったのかも覚えていないんです。「以上で終わります。じゃあ退出してください」と言われたのは2ベル後だったのか、それとも2ベル前に退出できたのかどうか、、、。

そんなわけで、「これは受かったのか落ちたのか、どちらなんだ」という気持ちのまま帰路に就きました。

大学受験の比でないくらいハラハラして、忘れられない経験となりました。受かったからいいものの、かなり波乱万丈でしたね。

本当におめでとうございます。長い学習期間の中ではモチベーションが落ちた時もあったのではないでしょうか?

モチベーションが下がったことはありません。
私は大学でも法律を学んだことのない初学者でしたので、勉強する内容の全てが知らないことだらけです。そのため「知らないことを知っている状態にしなければ」と気が急いており、モチベーションが下がる暇もありませんでした。

21年の10月から勉強を始めて5月の短答式試験に臨みましたが、「他の人は4~5月からやっている」というような情報をネットで見つけて、とにかく焦りが募りました。
振り返ってみれば、その焦りが原動力になっていたのかもしれません。

資格スクエアを選んだ理由・良かったポイント

数ある予備校の中から、資格スクエアをお選びいただいた決め手はどこにあったのでしょうか。

静岡に転勤になったこともあり、通学型の予備校に通うのが不可能な状況でした。そこで、オンライン型を前提として複数の予備校を比較しました。

「料金が高ければ良い内容なのだろうか」とも思いましたが、実際問題として大手予備校の料金は自分にとっては高すぎました。一方で安すぎるところは、それはそれで心配です。そこで「コスパを考えた時にちょうどいいな」という理由で、資格スクエアを選びました。

講座をお受けいただく中で、良かったと思う教材や機能などがあれば教えてください。

一番役立ったのは論文実践講座です。講義とテキスト記載の問題に取り組む中で、「これをしっかり覚えればいける」と確信したのをよく覚えています。
要点がコンパクトにまとまっているので色々手を出さなくても良く、実践をやっていれば力がつくのも効率的でした。

↑論文3ステップ目の実践講座は、過去問のエッセンスを凝縮したオリジナル問題で、合格への必須知識やスキルを効率よく仕上げられるのがポイント

 

また青本講座もお気に入りで、口述対策中にも毎日やっていました。今でも内容を忘れることなく、条文が意味を伴い自分の中で完全定着したのは青本講座のおかげだと思います。
論文実践講座と青本講座、あの二本立ては最強なのではないでしょうか。

さらに短答問題集も役立ちました。あれさえ回し続けていれば短答式試験もいい線いけると思いますね。20年以上の過去問が詰まっていて、「色々な問題に触れたい」という希望を叶えてくれました。
実際に問題を解き、そこから条文を覚えていくスタイルだったので、問題数のボリュームがあればあるほど条文を引く回数も増え身についたと感じます。

あとは法学初心者の自分にとって、林先生の論文入門講義も非常に理解しやすい内容で良かったです。

Zoomを使ったフォローアップでは、まだ論文式試験のイメージをつかめなかった頃に、「論文とは」というさわりを分かりやすく教えてもらえて助かりました。

↑月一回のフォローアップは、学習時の疑問・不安解消に役立ちます

今後のキャリアとメッセージ

弁理士試験合格を叶え、今後はどのような活動をお考えですか?

弁理士試験に合格し、知財部に異動が決まりました。現在医薬品関連の会社に勤めていますが、係争が多い分野でもあります。今後は企業内弁理士として、出願から係争まで、知財全般を担える力をつけていきたいと思っています。

これから受験をする方に向けて、激励のメッセージをお願いします。

弁理士への道は非常に困難ですし、自分を律していかなければ到達できない部分もあります。とはいえ、辿り着いた先にはそういったものを遥かに凌ぐ達成感があります。

「やり切った」という充実感を経験したい方や、弁理士として働きたい方、「仕事をする上で箔をつけたい」と思っている方など、どの方にもお勧めできます。非常にやりがいがあり、自分が変わるきっかけになります。諦めずに、ぜひ頑張ってほしいと思います。